二人
いつも読んで下さりありがとうございます。
「今晩は剣聖様に呼ばれておってな。食事は二人でとりなさい。」
魔法の修行も始まり1月程経ち順調に精度が上がっている。今の課題は黒い霧が出ない位少ない魔力で効率的に戦えるようにすることだ。黒い霧を纏うと魔力を使えない者に凄まじい恐怖を与えてしまうからだ。
と言うわけで夕食はテレスと二人でとることになった。出来ればテレスとは仲良くやって行きたいがテレスは仏頂面でなに考えているがよく分からない。取り敢えず会話をしよう。
修行も終わり老師は出かけていき食事になった。食事はいつもテレスが作っている。テレスの料理はとても上手だけども健康的な薄味で少し物足りない。食事は道場にお膳を向かい合わせてとる。食事が終わりタイミングを計り話し掛ける。
「老師はよく出掛けるの?」
「…たまに。」
「何か問題でも起きたのかな?」
「…分からない。」
ダメだ、全然話が続かない。老師と話す時は結構しゃべるクセに…。こんな事で諦めんぞ!何か話題を探さないければ。
「テレスは強くなってどうするんだ?」
「…別に」
「剣王になりたいのか?」
「…お爺ちゃんが望むなら。」
「テレスは何で強くなるんだ?」
「…お爺ちゃんを守るため。」
「老師のか?そんな心配はいらないんじゃないか?あんなに強いのに。」
少しの沈黙の後、テレスは俺の方をにらんできた。予想外の反応されると対応に困る、何か変な事を聞いたかな?
「もうケガは治ったの?」
「あぁ… もう治ったよ。」
「なら早く出てってくれる。」
そう言えば初めて二人になったときそんな事を言ってたな。やっぱり嫌われてたのか…
「今すぐって訳にはいかないよ。俺はここの聖域に入らなくちゃいけないんだ。3年我慢してもらえるかな?」
それを聞くとテレスは立ち上がり道場を出ていった。
それにしてもテレスはお爺ちゃんっ子と言うか依存性だな、過去に特別な事が合ったのかな?ちゃんと独り立ち出来るのだろうか?お爺ちゃんが死んだら私も死にます!とか言ったりして…、さすがにそれは無いか。
綺麗な青い髪をした可愛い仏頂面なお爺ちゃん子か…。テレスの謎は深まるばかりだ。