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衝撃! 舞花の入学理由!

月組校舎一階のトレーニングルームでは数十名の月組生がトレーニングしている、器具の説明やアドバイスの為のトレーナーとして闘姫学園の教師が3人見回っている。

舞花達も到着後、各々好きなトレーニング器具を使いトレーニング中だ、舞花は目新しい器具に興味を持ち色々と物色中、そこへ教師の一人が声をかけてくる。


「あなた確か陽桜舞花さんよね、私はこの学園の教師 吉原凛よしわらりんよ。ヨシリンて呼んでね!」

「ヨシリンは随分と軽いノリの先生なんですね」

「まあ、私は教師であって教師じゃないような者だから」

「どういうことですか?」

「舞花ちゃん、私にはタメ口でいいわよ」

「いや、目上の人には敬語じゃないと落ち着かないので」

「ふふ、舞花ちゃんて意外と真面目な子なのね」

「体育会系ですから」

「分からない事があったら何でも聞いてね」

「あ、じゃあこの器具の使い方を教えてくれます?」


舞花は凛先生に器具の使い方を教わりトレーニングに励んだ。



ー月組校舎三階 食堂ー


三階の食堂からは同階のプールがガラス一枚で仕切られていて見渡せ、プールでは月組生が数人泳いでいる。この食堂は月組生専用で様々な食事が無料で頼める。お昼になり舞花達3人は一緒のテーブルで食事をしている。


「今朝はバタバタして朝飯食べ損ねたから一杯食べなきゃねえ」

「…それにしても食べ過ぎじゃないの?」


舞花の前には牛丼カツ丼天丼親子丼の丼四天王が並ぶ。


「これくらい余裕!なんたって育ち盛りだからねえ」

「姐さま素敵!」

「…見てるだけで胸焼けしそう」

「それよりアンタらこそ それっぽっちでお腹減らないのかい?」


千路はタラコスパゲティとサラダ、孔雀はサンドイッチを食べている。


「…重くなったら身軽に動けないじゃない」

「ウチもこれで充分ですよお」

「二人とも少食なんだねえ」

「…いやアナタが大食いなのよ」


食事を始めてしばらくして


「モグモグ そういえば次の月組戦てモグモグ いつ開始なんだい?モグモグ」

「…食べるか喋るかどちらかにしなさい」

「姐さま はしたないですよお」

「おっと失礼。で 次はいつ戦えばいいんだい?」


「…ふう 少しは御自分で調べようとは思わないのかしら」


そう言いながらも孔雀は少し嬉しそうに孔明モードになってくれた。どうやら説明するのが好きらしい。

孔明曰く 次の月組戦は2ヶ月後の6月から10月までの4ヶ月間をかけて行われ、大まかなルールは陽組戦と同じ10カウント、KOあり、学園指定の武器ありだが、重要なルールが一つ『チームの為に戦う事』 それが守られなければ試合に勝っても敗北となるらしい。


「チームの為に戦えってどういうことなんだろうねえ」

「…生徒手帳にはその言葉しか表記されてなくて、それ以上の意味は私にも分からないわ」

「孔明さんにも分からないんじゃ、お手上げだねえ」


なるようになるだろうと、舞花は思った。

食事が終わった後、みんなで二階へ行く。

二階は部屋ごとにリングの間や、畳が敷かれた間、マットが並べられた間と様々な競技のスパーリングが出来るフロアとなっている。


「どこの部屋でスパーリングするんだい?」

「…私はどこでもいいわ」

「ウチは姐さまの選ぶ所でいいですよお」

「んじゃ勿論リングの間だな!楽しみだねえ」


リングの間に入る。部屋の中には当然リングがある。プロレスやボクシングの試合をする時に使用する物だが、舞花はリングの上に立つのは初めてらしく興奮している。


「ビデオでは一杯見てたけど本物に上がるのは初めてなんで嬉しいねえ」

「姐さま、ビデオってなんですか?」

「おやビデオを知らないのかい、ビデオってのはDVDみたいに映像を記録して観れるものかな」

「…なぜ今時ビデオなど見ているのかしら」

「それはねえ…」


舞花が何故ビデオを観ていたのか説明するにはこの学園に来た理由の説明にもなるから少し長くなるよと語りだした。

遡る事30年前、テレビでは女子プロレスが社会現象を起こすほど大ブーム。舞花の祖父である陽桜 源太郎は当時35歳であった。仕事一筋の真面目な男はテレビの女子プロレスラーユニット サーティーペアを観て衝撃を受ける 源太郎と同じ世代の30代の女性二人が所狭しとリングを駆け巡り、悪役軍団と熱い試合を繰り広げる姿に源太郎は のめり込んだ。絶対自分の子供を女子プロレスラーにするぞと意気込むが結局女の子に恵まれることはなかった。

そして訪れる女子プロレスブームの終焉、唯一の趣味になっていたものがなくなり失意の源太郎。しかし孫に女の子が生まれるや否やかつての夢をと、孫である舞花に幼少の頃から会うたびに秘蔵の女子プロレスの試合を映したビデオを見せ続ける。

舞花も最初は良く分からずに付き合いで見ていたが次第に女子プロレスにハマり、毎日腕立て スクワット 腹筋をするようになっていく、源太郎の英才教育のかいあって物心つく頃には将来は女子プロレスラーになるのが夢になっていた舞花。同時に活躍するための女子プロレス団体が、ほぼない現状を知る。恐らく団体に所属してもデビューが出来る日が来るかどうか分からない。

折角可愛い孫がレスラーになりたがってるのにそのデビューが出来る場所がないのは 悲しいなと思いながら 源太郎が歩いていると駅前で不思議な箱が設置されているのを見かける。


『願いが面白ければアナタの夢叶えるチャンスを与えます 』


何のテレビ番組の企画なのかなとダメ元で源太郎は、『うちの孫のデビューの為の女子プロレス団体が欲しい』と書き込み投函する。


それから数年後 舞花は中学生になり 夢の為と体を鍛えるのと組み合いが出来る事から柔道部を選び部活に勤しむ ある日家に帰ると陽桜家に闘姫学園のスカウトマンと名乗る怪しい男がいきなり試験だと言うと襲いかかってきた、男を軽々と投げとばした舞花に男は合格だと伝えるが 何の事か分からない両親が とりあえず警察を呼び男は逮捕されて行く。

数日後、今度は手紙が届く。『先日は失礼しました。陽桜舞花様 貴女は見事 闘姫学園の試験に合格し、陽桜源太郎様の夢を叶える権利を得ました。夢が叶えたいなら同封されている資料を読んで我が学園に入学する事をお勧めします。ちなみに学費は完全免除です。』

こんな旨い話があるかと両親が再び警察に電話する。だが警察がこの学園は存在し学園職員が確かに手紙を発送した事を証明されると、手の平を返したように、プロレス一筋 学業おろそかで良い学校に進学出来そうにない舞花にこの学園に行く事を勧めてきた。後日、手紙に名前の乗っていた源太郎に確認の電話をした舞花は源太郎の夢を聞き、学園に行く事を決意する。


「そして今日にいたると」

「…舞花さんはそのような経緯で この学園の入学したのね。…そもそも何の話からこの話になったんでしたっけ。色々と突っ込み所が多すぎて頭が。」


呆れて頭を抱える孔雀


「姐さまは亡きお祖父様の夢の為に…。頑張って夢を叶えましょうね!」

「いや チロ。じいちゃん健在だよ。」





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