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入学式終了

「さーて日暮れまで、まだ時間あるしもう一人くらいと勝負したいねえ」


舞花は抱きついた千路を離すと次の相手を探しに走り出した。


「姐さま、待って下さーい」


千路も後を追う。


「しっかしこの学園。校庭が広すぎだねえ」


式が始まったばかりの時はそこらでバトルが行われていたし自分もバトルに夢中だったから、気付かなったが失格者が寮に入っていった事で改めて校庭のバカ広さに気付く。途中に校章7.8個を持つ少女に出会うが連戦で疲れ果てバトルを受けてくれない。実は校章11個の舞花を恐れて受けてくれなかっただけだが。


「うーん、若いのにだらしないねえ」

「姐さま、バトルしたいならウチが相手しますよ!もう一戦やりましょう!」

「今日はいいや、アタシは他の相手と戦いたいんだよねえ」


ふと近くでバトル中の声が聞こえる。


「まだ元気がある子がいるのか、見にいくか」


そこでは、縦にも横にも巨体な短髪素足の少女と、

両手に閉じた扇子を持ち金髪を全て後頭部に束ねて、

雄の孔雀の羽根のように広げている少女が対峙している

巨体の少女は息を荒げながら孔雀少女を捕まえようと突進するが、孔雀少女は最小の動きで躱し扇子で巨体の少女の太ももを叩く、少女の足はすでに何度も叩かれ赤く腫れあがっており、今の一撃が止めとなったのか少女は足から崩れ落ち立てなくなった。


「参りました」

「勝者、雨乃孔雀あまの くじゃく

「あの子見た目も名前も孔雀なのか面白いねえ」


孔雀は校章を受け取るとその場を立ち去ろうとする。


「ちょっと待った!孔雀さん、アタシとバトルして!」


舞花が孔雀を追う。


「…いいわ、受けましょう」

「アタシは陽桜舞花、よろしく!」

「…雨乃孔雀よ」

「ではバトル開始!」


その場にいた黒子の合図と共に舞花の先制ドロップキックが孔雀を狙うが軽く避けられる。


「孔雀さんは回避とカウンタータイプか、ほぼ無傷の所を見ると相当強いみたいだねえ」


舞花は孔雀のタイプを推測し、打撃はせずに孔雀を捕まえに手を伸ばす、全て扇子で叩かれ止められる、ならばと扇子を奪おうと扇子を掴みにいこうとするが

それも読まれて頭を叩かれる。


「痛ったあ〜だけど絶対捕まえてやる!」


策もなく無謀に掴みかかる舞花、難なく躱し剥き出しの素肌部分を叩く孔雀、みるみる腫れあがる舞花の顔や腕。


「…タフね、これだけ打たれても向かってくるなんて」

「アタシはレスラーだからね!意地でもアンタを捕まえる!」

「…残念な思考の持ち主なのね、なら倒れるまで私に打たれなさい」


20分後、気付けば夕暮れボロボロになりながらいまだ倒れない舞花、キレの悪くなった舞花の攻撃を躱し打撃をする孔雀も疲れ始めていた。


「…貴女はバカなの?いい加減負けを認めなさい」

「イヤだね!レスラーが一方的に殴られて終わるなんて許されない、絶対アンタを捕まえ、そして勝つ!」


舞花が低空タックルを仕掛ける。


「…脳味噌まで筋肉の人に言っても無駄なようね、なら終わらせてあげる。」


孔雀は低空タックルを三歩後ろに下がり、舞花の頭に一打撃しつつ横に躱し、躱し様に足払いをする、舞花は勢いよくそのまま前方に転がる。


「花のように美しく動き、鳥のように俊敏に相手を突き、風のように攻撃を受け流し、月のように光を反射する。これが雨乃流舞闘術極意『花鳥風月』!」


大の字で倒れる舞花、黒子がカウントを始める


「5.6.7…」

「まだまだぁ…ハァハァ…」


フラつきながら立ち上がる舞花。


「負けなければ負けじゃない!アタシはまだ負けてないよレフェリー!」

「…貴女、本当に女の子?男じゃないでしょうね?」

「アタシは女の子だよ!孔雀さんさっきのもう一回やりなよ!圧倒的劣勢からの逆転…いいねぇ…熱いねぇ…」


再び低空タックルを仕掛ける舞花、孔雀も同じように下がり頭を打とうとするが、あるはずの頭がない。

何故?間合いはとって完璧に見切ったはず。

孔雀がそう思ってさらに視線を下げると無様に倒れ込んでいる舞花、どうやら足がもつれて意図せず、ヘッドスライディングのような形になったようだ、が偶然とはいえ舞花は孔雀の意表を突き、その両手に孔雀の両足を捕らえる。


「ハァハァ…やっと掴まえたぜえ。今度はアタシの番だー!」


端からみると立つ勝者に倒れる敗者の構図。

うつ伏せのまま孔雀の下で喋った舞花は両足を掴んだまま、ゆっくりと立ち上がる、足を上げられ倒れる孔雀。


「反撃いくぜえ!」

「そこまで!ただいまをもって入学式を終了する!」


気付けば陽は落ちていた。


「えーっ!?そんなぁ…」


集中力が切れた舞花はその場に倒れ込んだ。




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