遅すぎる自己紹介
いつの間にかユニークが100を突破していました。
いつも見てくださっている皆さんありがとうございます!!
「まぁその前に自己紹介だな、俺は天津良太、でさっきのは妹の愛華、ここで二人で暮らしてる、んで、天界人と冥界人が何のようだ?」
自分の自己紹介を終わらせ二人に問いかける。先に口を開いたのは白い羽の少女
「私はシエル・セラフィム、天界の姫です……それでこちらがーー」
「我はサーシャ・ディアボロス!冥界の姫じゃ!」
黒い羽の少女、サーシャはいきなり立ち上がり、自己紹介をする。大人しく自己紹介が出来ないのかこのじゃじゃ馬は……
「えっと、白いのがセラフィムさん、黒いのがディアボロスでいいのか?」
「待つのじゃ!どうしてこやつに敬称がついて我には敬称がつかんのじゃ!?」
「それを本気で言っているので敬称をつけないで正解だと思うが?」
「おかしいのじゃ!そんなのおかしいのじゃ!」
いやいや、駄々をこねられても困りますよ……礼儀知らずと礼儀正しいのを一緒にしてもらっちゃ困る。
「サーシャ、落ち着いてください、話が進みません」
「ならせめて!サーシャと呼べ!ディアボロスと呼ばれるのは好かんのじゃ!」
「はいはい、わかったよサーシャ……これでいいか?」
「うむ、それなら良いのじゃ」
サーシャはやっと大人しくなり座る、すると反対にシエルがこちらに身を乗り出す……なにやってんの?
「それなら私もシエルと呼んでください」
「いやセラフィーー」
「シエルと呼んでください」
何を張り合っているのか、このまま問答を続けても時間だけが過ぎるだけか……
「……ああ、わかったシエル、話を続けてくれ」
名前で呼ぶと満面の笑みを浮かべ、体を戻す。
「それでは本題に入らせていただきます、
まず私たちは冥界と天界の姫と説明させていただきました……
実は私たちは共通の理由で逃げてきたのです」
「……姫様なら嫌がらずに人々の為に率先して仕事を行うのが仕事だろう」
「それは分かっておるのじゃ、ここまでも人々のためとやってきたのじゃが……今回ばかしは我慢が出来なかったのじゃ」
サーシャの言葉で、目の前の少女達の顔に影がさす……
「その様子だと大方のことは想像がつく……それで?行くあてはあるのか?」
ギクッ!
そんな擬音が聞こえてくるような反応を見せるシエルとサーシャ、もしかすると……
「…間違ってたら悪いが一様聞こう…考えがあって家出してきたんだろうな?」
ギクッギクッ!
そんな露骨に反応するなよ…冷や汗までかいて、まるで俺がこいつらをいじめてるみたいじゃないか。
「な、無い事には無いのじゃ、なぁ!シエルよ!
「えっ?ええ、そうね無い事も無いですね」
おい待て、なぜこっちを向く?おかしいな……いやそんなことは無いはずだ、つまり結論を言えばーー
追い返せばいいのか
「よし!それならそこへ行きなさい!」
俺は二人の首根っこをつかみ玄関まで送ろうとする。
が、二人はそれぞれ机にしがみつく、
「いやなのじゃ!ここしかないのじゃ!」
「何も考えて無かったんです!ここで見捨てられたら困ります!」
とうとう二人そろって駄々をこね始めやがった!恥も外聞も姫の風格すらねぇ!
「頼むのじゃ!あの女誑しと結婚なんかいやじゃ!」
「私もあんなナルシストいやです!」
さすがにこれ以上は妹が来るかも知れないと思い、二人を解放する。
「ふえ?」
「あれ?」
二人そろって呆けた顔をする。
俺はそんな二人にこう告げた……
「……わかった、しばらくいていいぞ……しかしだ、うちにいる以上は働いてもらうし、姫扱いもしないからな」
「い、いいのか?」
「ああ、部屋は余ってるし、金はしばらく暮らしていけるくらいはある」
「本当に?」
「そうだ、まずは自分の部屋決めて掃除して来い」
二人は顔を見合わせてから、笑顔を咲かす。
「やったのじゃ!これでしばらく安泰じゃ!」
「やったのです!これで野宿しなくてすみます!」
野宿する気だったのかよ……俺は呆れながらも新しい同居人を見て思う。
とりあえずはこいつらの気が済むまでは居させてやろうと……