お二人様ごあんなーい
やべぇ……こんな状況妹に見られたら……
「ねぇ兄さん?」
妹がとてつもなく怒ってらっしゃる!
あれ笑顔だけど、隠せてない!後ろのどす黒いオーラが隠せてない!
「ど、どうしたのかな?愛華……さん」
「この人たちは、一体どこの人なのかな?」
「いやー、なんていえばいいか……こいつら困っててな、話だけなら聞いてやるってーー」
「ふーん、そうなんだ」
ああ、少しオーラが引っ込んでる……良かった、これで……
「何を言ってるのじゃ?貴様が逃げるから追いかけてきたのではないか」
このバカは!
引っ込みかけていた妹のオーラは再び復活を果たした。
白い羽の少女も現状を理解できたようでこちらに救いの目を向ける。
しかし、こうなった愛華は俺にも止められない……
そうして、もうひとつカミングアウトすると、
妹愛華は、兄から見てもとんでもないブラコンなのである。
なんせ、兄に近づく女性、兄に嫌がることをするものを物理的に始末しようとするのである。だが、この場には空気が読めないバカが一人いるのであった……
「なぜ黙るのじゃ?事実じゃむぐっ!」
「サーシャさん!私たちはこの方に相談をしてもらう為に来たのでしょう!でしょう!」
あまりにも迫る白い羽の少女の迫力に首を縦に振る黒い羽の少女、それを見た愛華はいつもの妹に戻る。
「そうですか、良兄、そろそろ家に上げてあげれば?」
「あ、ああ、そうするよ……」
「それじゃ私は自室で勉強してるね」
「おう」
愛華は何事も無いように自室へ向かう。
「「はぁーーーーーー……」」
「?二人してどうしたのじゃ?」
「……まぁ、家に上がれ、話だけでも聞いてやる」
「……いいのですか?」
「妹にああ言った手前、ここで返すとお前らが……」
「喜んで上がらせていただきます!」
さすがにあの妹を見て帰る…と言い出すのはかなりのバカとしかいえないが…
「では邪魔するぞ」
「……お邪魔します」
「居間はこっちだ、着いて来い」
二人の少女を居間に置いた後台所へ向かう、一様は客人なので茶と茶菓子を用意してから居間に戻る。
茶を配り終え、二人の対面に座る。
「……そんじゃ面倒だが二人の話を聞いてやるよ」