回想から現在
沈黙が続く、とにかくこの場の空気が重い……
「な、なぜ黙ったままなのじゃ!?」
おお、ようやく空気が軽くなった、というかこの黒い羽の子……バカか?
とりあえず返事はしておこう……
「……すまない、さっきの君たちの落下|(?)のせいで体が痛くてね、話を聞いていなかった」
「なぬ!?先ほどので怪我を負ったのであれば早く言わぬか!シエル!」
「分かっています、あなたほどバカではありませんから」
「バカとはなんじゃ!バカとは!」
「少し静かにしてください、すみませんが応急手当します、体に触れてよろしいでしょうか?」
「あ、ああ」
あれ?案外普通に話が出来る、もしかしてこのまま話し合えば何とかなるのではないか?と考えた俺は手当てをしてくれている白い羽の少女に話しかけようとしたその時、
「ちょっと待て」
「はい?」
「その救急箱?はどこから出した?」
見たところ、二人とも手ぶらなのだ。なのに今、白い羽の少女は救急箱を持っている。
「これですか?そうですねお見せしましょうか」
「何を言って…」
白い羽の少女は虚空に手を伸ばしたと思ったら、手首から先が消えた。
「はっ?」
とりあえす、消えたとしか言いようがなかった。その手を引き抜くと水筒|(?)が出てきた。
「このように亜空間にものを収納して取り出すことが出来るのです」
「まぁ、人間界ではないでのじゃろうがな」
俺はしばらく考えるのをやめ、しばらく手当てをしてもらう。
というよりなにこれ?おかしくない?いやさ……漫画みたいなパターンかなって思ったけど実際にこんなこと起こってほしくなかったなー、って思うわけよ「はい、終わりましたよ」そもそもね、気まぐれで来てみたらばったりってのは古いよ!「あの……終わりましたが」前提条件として俺にはそんなフラグを立てる暇は無かったとーー「おい、聞いとるのか人間」思いたいがどこにフラグが立つかも分からんーー「聞いとるのか?」げしっげしっ(蹴られている音)とりあえず結論は……
俺は考えをいったん止め、立ち上がる……そしてーー
全力で逃げよう!
回れ右して全力で逃げた。
「待つのじゃ!って人間にしては速いぞ!?」
「あれって、人間なのでしょうが…とりあえず追いかけましょう」
後ろから何か聞こえるが知ったことじゃない、この場はすぐに逃げよう、そう途中途中で後ろを確認しながら……
そして現在……
「それとこれ忘れ物です」
彼女は俺が忘れたかばんを持っていた。
「それにしても驚いたのじゃ、あと少しで我らでも見逃してしまうところじゃった……
貴様……人間か?」
どさっ!
すると二人の少女の後ろにかばんを落とした妹がいた…