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偽りの得失と喰らう銃弾  作者: 勧められた男
三章 暴走の学園迷宮
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九十五呪 解決策

「ここまで強いのかよ生徒会長って……」


 よくあるドームのようにステージを囲むように観客席がある闘技場。俺はそこの観客席に身を隠していた。身体は既にボロボロで制服も破れていれば、所々血が出ている。

 対して、生徒会長は無傷だ。

 幾ら、相手が暴走しているからと言っても、左手を使えばすぐに終わると思っていた。

 しかし、俺の思惑とは違う出来事が早々に起こった。

 ――呪いが効かない。

 初めは、何の冗談かと思ったが何も冗談ではなかった。

 地面、剣など至る所に左手が触れてはいるがどこも呪われないのだ。

 ならば、物理で殴ればいいと考えたが、それすらも何もできずに終わった。

 結果――こうして隠れているのである。

 少し目を遮蔽物から覗かせると、依然ステージの真ん中に陣取っている。俺を探しているのか、忙しなく顔が周囲を見回している。

 暫くすると見回すのを止め、周りにある剣を一つ掴んだ。

 そして、次の瞬間―俺が隠れている場所へと視線を向ける。


「ヤバイ!!」


 奴が別の剣を持ってこちらに振ってくるのと、同時に俺は即座に遮蔽物から飛び出した。

 数秒後、俺がいたところは斬撃によって傷跡を残しながらゴナゴナに砕け散っていた。もし命中してれば俺もただでは済まない。

 それに注意しながら生徒会長の動きを追うと、剣を別の物に持ち替えていた。

 すると今度は、恐ろしい速さで此方に迫ってくる。振り切ろうとするが、振り切れない。

 そして一気に跳躍し、間合いを詰めてきた。

 ――避ける? いや、駄目だ。今度避けたらその直後には、奴が剣を振っていてもおかしくない。

 ならば、


「止めるしかねぇ!!」


 俺は呪いを発動させる。

 一か八かの賭けを少しでも成功させるためにわざと発動させる。

 しかし、その間には剣の間合いに入っている。

 そしてそこは見逃されることもなく、振り下ろされる。

 だから、それを両手で左右から抑え込む。いわゆる白刃取りだ。

 コイツの恐ろしいところは剣――なら、その剣を封じ込めばいい。

 相手は依然、俺を切り捨てようと力を込めてきている。

 

「ぬ、おおぉ……」


 俺は少しずつ剣の軌道を逸らそうと、右に動かす。と、その時――剣に変化が現れた。突如、黒い筋が広がっていた。

 

「なっ!?」


 と、俺は驚いた。この黒い筋の正体は俺の呪いだ。

 だが、なんで今更?

 などと疑問を抱いてしまった瞬間に、異変に気付いた生徒会長は剣から手を反してステージの方へ戻って行ってしまう。その事を悔やみながら俺も剣を捨てようとした時、柄の先が光っていることと何かに繋がっているのを発見した。

 視線を辿ると、とある一つの剣が目に入った。その剣は刀身から光を放って繋がっており、そしてそれは他の無数の剣にも存在した。


「呪え」

 

 同時に――理解した。

 この光がどういった意味なのかも、この状況を打破できる方法も。

 聖先輩を救う方法も。

 簡単だったのだ。


 呪えばいいのだ。

 何もかも、空も大地も海も。全てを呪う。

 呪えば――チカラガ、テニハイル。チカラガアレバオモイドオリニナニモカモ。


 ダカラ――「ノロエ」。

 

 

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