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偽りの得失と喰らう銃弾  作者: 勧められた男
三章 暴走の学園迷宮
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八十九呪 ゲームスタート

遅れましたが、更新です。

『流石、夜眞棊さん。カッコいいですね、思わず惚れそうですよ!』


 ゲームマスター野郎がなんか絶賛してくるが、どうでもいい。聖先輩を巻き込ませなければなんだってしてやる。


『では早速、ルールの説明を致しますね』


「…………」


『学校内に私が定めたターゲットが居ますので、撃破してください……以上です』


「……それだけか?」


 ルールが簡単なのは、別にかまわない。しかし、こういうのに限って裏のルールが存在していることが少なくない。炎野郎の様に何か刺客を放ってくる可能性だって否定できない。


『はい。それだけです。後、付け加えますと、この通話終了と同時に――学校外の出入りおよび連絡は一切取れなくなりますので、注意してください』


「ターゲットを倒せば、解除されるんだよな?」


『もちろんです。安心してください。他にご質問は?』


「ターゲットの見分け方は?」


 ターゲットが一人だけ分かりやすいかもしれないが、あまり望みを持たない方がいいだろう。全員同じ姿にしてくるなど、奇想天外な手を打ってくる事だってある。


『直接はお答えしませんが、学内の至る所にヒントがありますのでそちらをご活用してください。それで自ずとわかってくるはずです』


 つまりヒントを得るまで、何があるか分からない。ゲームが始まったら速やかにヒントを集めるに越したことはないだろう。


『それでは準備はよろしいですか?』


「ああ、大丈夫だ」


『ゲームを始める前に、一言だけ言っておきます――死なないよう(・・・・・・)に気を付けてください』


 携帯から、ツー、ツー、と音が鳴った。

 ゲームが開始された合図だ。


「覚悟しろよ、ゲームマスター野郎」




 ◆ ◆ ◆ ◆


「……つまらないですね」


 女は電話を切った後、吐き捨てるように言った。彼ならもう少しあれこれ聞いてくると思っていたのだ。

 学校で行う事とはどういう事なのか? ターゲットの撃破とはどういう事なのか? ヒントがすでに設置されているのはどういう事なのか? ……聞けることは山ほどある。

 なのに、何故少しの事しか聞いてこないのだろうか。


「最初から間違えていたんですね」


 彼女は己の行いを振り返る。

 自分の願いを成就するため、様々な事を模索し、実行してきた。

 そしてことごとく――失敗した。

 その原因は――自分が『異常』ということだけだ。その一点があらゆる結果を失敗に導いた。

 故に彼女は誰よりも執着(・・)する。

 そして今回はその願いをある人物に託した。

 いや、託すしかなかったのだ。

 彼しかいなかった。だから、頼った。

 正直、もう一人だけ彼よりも遙かに適任な候補がいたが、何かがおかしかった。

 下手すると、自分以上に……。


「っと、今はどうでもいいですね」


 過ぎたことは仕方がない。彼女は思考を切り替えた。

 今回の原因は、僅かとはいえ『持っているから』という理由で夜眞棊郁斗を選んだことにある。

 ならば、次はどうするべきか。

 未来を掴むためには。


今回の計画()はもういらない。だから……白紙に戻す(未来を掴む)


 と、彼女はゼロになる瞬間を見るため、画面を見続ける。

 

 

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