六十七呪 まさかの発言
「ただいまー」
と、俺は自分の家の玄関を開けて、家の中に入った。
前までは、一人で暮らしていたので言うセリフでも無かったのだが、今は違う。聖先輩が一緒に住んでいる。一様、名目上は居候という感じだが、別に普通に住んでいるといっても過言ではない。聖先輩曰く、「警護のため居候している、と上に報告しとかないと帰還命令が出る」ということで、聖先輩は居候と言い張っている。俺としてはどちらでも構わない。聖先輩が一緒に居てくれるならそれでいいのだ。
「ん?」
と、思ってリビングのドアを開けようすると、テレビの音が聞こえた。だけど、帰ってきた時に「おかえり」という聖先輩の声が無かったため、居ないと思っていたのだが。
もしかして、テレビを見ているのだろうか? それか、テレビを消すのを忘れて家を出てしまったのだろうか? どちらにしろ、ドアを開けてみないと分からない。
俺はそう思い、ドアを開けてリビングの方に向かった。
「……」
すると、そこには紫苑ちゃん――一人だけ居た。何やら、テレビに夢中で俺がリビングに入ってきたことに気が付いていないようであった。一体何に夢中になっているのだろうと、顔をテレビの方に向けると、
フリフリのドレスを着た少女が魔法の杖を持って、よくわからない敵と戦っていた。
(アニメか……)
漫画とか多少は読むが、魔法少女ものはさすがに知らない。芽富良なら、知っていそうな気もするが……、紫苑ちゃんに聞いてもいいが今聞くと、集中しているのに邪魔されたということで物凄く睨まれそうな気がする。と、思っていると紫苑ちゃんの左手が動き出した。何か探しているように動かしている。そして、左手がリモコンに当たると、それを掴んでテレビに向けて、ボタンを押した。画面が止まったので、一時停止ボタンを押したみたいである。と、同時にビデオだったのかとも思ってしまう。
「おかえり、お兄ちゃん」
「うん、ただいま」
紫苑ちゃんは後ろを振り返り、言ってくれたので俺も返答をした。
何故か、お兄ちゃんと言ってくれるがそれはそれでいいだろう。だが、クラスの奴に知れたらどうなるかは分からない。
「何見てたの?」
「召喚少女サモンちゃん」
やはり、全く分からなかった。しかも魔法少女じゃないし。
「ちょっと、最近ため込んじゃってたから絶賛消化中」
紫苑ちゃんはアニメで一日時間を潰せるタイプなのか。多分、芽富良と気が合うな。
「いいけど、あんまり見過ぎちゃだめだよ? 目が悪くなっちゃうよ?」
「うん、分かった!!」
紫苑ちゃんは、はっきりと返事をして、そそくさと片づけ始めた。聞き分けが良い子で本当に助かった。片づけが終わると、紫苑ちゃんは俺の方に近寄ってきた。
「お兄ちゃん、何かして遊ぼうよ」
笑顔百パーセントで俺に告げてきた。
……成る程、妹を持つ兄貴というのはこういう妹の笑顔に弱いのかと理解した。
「ごめんね、紫苑ちゃん。お兄ちゃん、宿題があるから一緒に遊べないんだ」
だが、ここはグッと堪えるしかない。妹みたいな子と遊んで宿題をしてません、なんて言い訳したらそれこそ問題になりかねない。
「じゃあ、私も手伝う。そうすれば早く終わるでしょ?」
唐突に紫苑ちゃんがまたしても笑顔でそう言った。
「気持ちはありがたいけど、大丈夫だよ。お兄ちゃん一人でもできるからね。それに、紫苑ちゃんは中学生でしょ? 流石に高校の宿題は分からないと思うよ」
心遣いはありがたいが、紫苑ちゃんは中学生だ。とても高校生の勉強の内容についていけるとは思わない。
と、思っていた矢先、紫苑ちゃんがとてつもないこと言い出した。
「私、中学生じゃないよ?」
偽りの得失と食らう銃弾ですが、勝手ですみませんが二章で完結とさせていただきます。
理由は色々ありますが、簡潔に言ってしまうと投稿のペースと話の中身を考えてしまうと、恐ろしいほどに長期間になってしまうためと判断したからです。それに自分でも話がだらけ過ぎているとも思ったからです。
話は二章が終わるまで書きますが、それ以降はそれまでの話を修正だけして残す予定です。
まことに勝手で本当に申し訳ございません。




