レポート
注意、この作品は、ひょんな事から未確認生命体と戦うことになりました、という作品の前にかいた失敗作であり設定や世界観があちらと同じですが、これから編集することはありません。読まないほうが良いでしょう。
研究レポート6
ついに長年夢見た錬金生物が完成した。
ホムンクルスは少女のような姿をしている、我々がデザインしたとおりだ。
とても可憐な容姿で、私のことをパパと呼んでくる。
私は彼女をレナと名付けた。
彼女はすくすくと成長し、あらゆることをわけもなく覚えて言った。
さらに、あらゆる興味深い能力を持っていた。
このままいけば我々の目的が達成できるかもしれない、今度こそは・・・。
研究レポート7
ついにこの日が来た、ホムンクルス、レナに我々がレナを生み出すために使ったコンピューターを操作させ、新たな生命を作り出させる。
我々には十年かかったことでもレナにはそう難しいことではないだろう。
何故ならレナの知能は前作を遥かに上回っている。
まさに人知を超えた能力だ、きっとこのプロジェクトは成功する。
研究レポート8
今日、遂にレナが新しい生物を生み出した。
小鳥のような姿だ、いや、小鳥そのものだった。
成功だ完璧な成功。
だがこれで終わりではない、もっと高度な生物を作ってもらう必要がある。
研究レポート9
あらゆる生物がレナによって作り出された。
しかも驚いたことに通常の個体よりもレナによって作り出された個体のほうが遥かに運動性能や知能が高いのだ。
さらに、動物達はレナの言うことは絶対に遵守する、我々には一切危害を加えようとはしない。
一匹一匹のデータも簡単に採取することが出来る。
だが、これまた実験段階に過ぎない。
我々の最終目標はレナに人間を作ってもらうことだ。
研究レポート10
レナの様子が最近おかしい、研究員との関係も決して悪くはないはずなのに。
もしかしたら、他の人間と自分の違いを意識し始めたのかもしれない。
思えば、レナの友達は作り出した動物だけだ。
このまま作業が停滞してしまうのは困る、何とかしなければ。
そんなとき、私は前作の失敗作のことをを思いだした。
まだそいつは破棄していなかったはずだ。
レナと同じホムンクルス、しかも人間の形をしている。
レナの兄貴分としては相応しい。
研究レポート11
レナは兄となったホムンクルスとすぐに打ち解けた。
兄のことは「お兄様」と呼んでいる。
元の元気も戻ったようなのでこれで一安心だ。
研究レポート12
レナが最近言うことを聞こうとしない。
原因は私たちが与えてしまった兄貴分だろう。
兄から余計な事を教わり、私たちの研究を否定するようになってしまった。
私たちの最終的な目的は彼女達を軍事兵器として使うことに他ならなかったからだ。
レナ自身もそれに薄々気付いていたのかもしれない。
私たちは仕方なく玩具を取り上げることにした。
失敗作はおそらくもう生きてはいないだろう。
研究レポート13
レナが作り出した生物が突然私たちの言うことを聞かなくなった。
全ての現況はやはりあの失敗作だ。
生物達は暴れだし、研究員を何人も殺していった。
私はかろうじて生きている。
やはり、ある程度レナとの交流も深かったためだろうか。
だが、私が傍によろうとすると、動物達がそれを遮るようにして立ちはだかる。
私はこの研究所ごとレナを爆破することを選んだ。
このままでは危険すぎるからだ。
レポート14
駄目だった、レナを殺すことなど今や不可能だったのだ。
私が爆破を試みようとしていることはすでに悟られていた。
レナと生物達はこのままでは必ずいつか暴走し、世界に異変をもたらすだろう。
私は、レナを抑止すべく、組織の結成を目論んだ。
レナという怪物を生み出してしまった手前、レナは私の手で処分しなければならない・・・。
ホムンクルスの研究の片手間作った、強化細胞も、恐らくこの計画に役立ってくれることだろう。
数年後、この研究者はレナを破壊すべく組織を結成することになる。
それと同時期に、世界は異変を示し始めていた。