第七話
ドアが開いて、リディア様が入場する。
隣には、リディア様のお父様であるフランティアの国王がいらっしゃった。
二人は歩幅を会わせながらゆっくりバージンロードを歩いてくる。
そのままリディア様の腕が祭壇の前のフィリップ様の腕に重なる。
二人は見つめあった後、祭壇の前の牧師に向き直っって祭壇を上った。
私は、というと。
早くも流れ落ちる涙をハンカチで押えていた。
だって、あのリディア様が・・・
武術と農業が大好きで、生傷の絶えなかったリディア様が・・・
スカートをたくしあげて廊下を走り回っていたリディア様が・・・
こちらに来てからは、苦手な勉強も礼法も文句を言いながらもしっかりとこなしていらっしゃった。
そう考えると、涙が止まらなくて・・・
周りから変な目で見られているのは分かっていたが、止めることなんて出来なかった。
こんなに感動したことは今までなかったかもしれない。
「フィリップ・ランドルフ・レオ・ビダンティウス国王王太子陛下、あなたはこの女性と結婚し、夫婦となろうとしております。あなたは健康な時も、そうでないときも、この人を愛し、この人を敬い、この人を慰め、この人を助け、その命の限りかたく節操を守り、国の繁栄を約束することを誓いますか?」
牧師がフィリップ様に問う。
「はい、誓います」
フィリップさまは力強く答えられた。
次に牧師はリディア様に向き直る。
「リディア・ミミナ・リザベル・フランティア国王姫殿下、あなたはこの男性と結婚し、夫婦になろうとしております。あなたは健康な時も、そう得ない時も、この人を愛し、この人を敬い、この人を慰め、この人を助け、その命の限りかたく節操を守り、国の繁栄を約束することを誓いますか?」
リディア様は感極まったように肩を大きく一回上下すると、力強く答えた。
「はい、誓います。」
「では、誓いのキスを。」
そう言うと、フィリップさまはリディア様のヴェールをあげて、唇を寄せた。
大きく鐘の音が鳴り響く。
誓いの言葉は
http://www.seiyaku.com/seiyaku/vows/jp/japanese.html
を参考にしました(*^_^*)