第二話
ちょっと短いかな・・・?
ふかふかのじゅうたんが敷きつめられた廊下を歩くこと7分。
リディア様の私室がある中央塔4階から階段を上り、中央塔5階。(王族の私室はすべて中央塔にある)
一番奥の部屋に向かう途中、何枚も横を通過した高そうな絵、そして花が活けられた花瓶。
こちらに到着した際に侍女長から言われたとおりに来たのだけれど、本当にここでいいのかしら??
リディア様が困ったように私を見るので、私は安心させるようにリディア様に一度頷いてから、そのドアを2回ノックした。
「失礼します、王宮侍女のティカと申します。こちらはフィリップ様の私室でよろしいですか??」
そう言うと、内側にドアが開いた。
私は一歩下がって頭を下げる。
リディア様が一歩進み出て部屋の中に入り、お辞儀した。
「お久しぶりです、フィリップ様。リディア・ミミナ・フランティアです。」
「長い距離、よく来てくれたね、リディア。ティカ殿も頭をあげてくれ。」
その言葉に私が頭をあげると、王子が進み出る。
2年前16歳だった少年は18歳の麗しい青年になっていた。
柔らかそうな栗色の髪の毛、すらりとした身体、優しそうなほほ笑み。
前にいるリディア様を見ると、ぽーっと見とれている。
「さぁ、立ち話もなんだ。2人とも入ってくれ。」
そう言ってリディア様に手を差し出すと、リディア様はそれに手を重ねた。
お互い見つめあって、桃色のオーラを出している。
私には入り込めない世界だ。
ちらっと2人から目をそらすと、フィリップ様の後ろにいらっしゃった男性に気付いた。
すごい・・・
フィリップ様とはまた違う綺麗さだ。
にやりと微笑む麗しい黒髪の貴公子。
背がすらっと高く、顔は上の上。
ただ、優しそうな頬笑みを浮かべているにも関わらず、目は獲物を狙う黒豹のようにぎらぎらしている。
気付かないうちに悪寒が走り、背中に冷たい汗が流れた。
フィリップ様出てきました。