第二十二話
リディアの家族紹介です!
「リディア!予定していた時間よりも1時間半も遅いじゃないか!」
「ごめんなさい、ククール兄様。みんなと話していたら、こんな時間になってしまったの。」
フランティア第一王子、ククール様19歳。
こげ茶色の髪の毛を後ろに撫でつけていて、銀フレームの眼鏡が似合うインテリ王子だ。
実際とても頭がきれるので、外交などを担当されている。
「いーや、リディア、あれは律儀に対応し過ぎだ。王宮の窓からリディアが見えてから2時間。俺たちがどんなにつらい思いをしたかわかるか?」
「1時間半よ!フランク兄様。」
フランティア第二王子、フランク様17歳。
私と同じ年齢の方だが、正直少し子供っぽいところがある。
武術に秀でていて、もっぱら軍の指導をされている。
「1時間半も2時間もそうかわらないだろ。ディアナ姉さんがとても不安に思ってだな・・・」
「誰が、不安に思っているって?」
深紅のドレスを着たディアナ様がフランク様にすごむ。
フランティアの次期国王、ディアナ様21歳。
目の覚めるような美貌と、メリハリのついたボディ、そして自分にも他人にも厳しい性格。
今、第一子を妊娠中で、来月がその産み月である。
「ディアナお姉さま!お久しぶりです!会いたかった!」
リディア様がディアナ様にぎゅっと抱きつく。
ディアナ様も、ここは公式の場でないので、リディア様の腰に手をまわした。
それをうらやましそうに見つめる王子2人。
・・・・・・
「ティカ、変わりないか?」
「はい、国王陛下。お言葉ありがとうございます。」
私は腰を折って、頭を低く下げる。
国王陛下は今年で45歳だが、まだまだ若々しく、隣に座る王妃様もとても美しい。
「ティカ、今から君に2週間の休暇を与えよう。これからずっと忙しくなる。それまでに家族に会っておいで。」
「!ありがとうございます!」
私は早速王族の皆様と、使用人のみんなにあいさつしてから実家に戻ったのだった。