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scene3 リオ、畑仕事に挑戦
村の朝食を終えたあと、リオは村人の誘いで畑へ向かった。
丘の上に広がる黒い土は、陽に照らされてふっくらしていて、
見るからに「育ちそう」な気配をしている。
村人Aが鍬を手渡す。
「ほい、試しにここ、耕してみな」
リオは慣れた手つき――ではなく、
**“剣と同じように振らないように慎重に”**構えた。
「よっ……と」
鍬を振り抜いた瞬間――
ぱかっ、と土が割れ、陽光を受けてふわりと粒がきらめく。
村人A
「おおっ! やるじゃないか、働き者のお兄ちゃん!」
リオ
「い、いえ、ただ振ってるだけで……」
村人B(籠を抱えながら)
「素直に褒められときなよ〜。この土、あんたと相性いいみたいだよ」
リオは額の汗を拭き、ふっと笑う。
剣を振るうときの緊張とはまるで違う、軽くて温かい心地が胸に広がった。
リオ(心の声)
(剣じゃなくて鍬を振るって……
誰かの生活の役に立てる……
こういう“戦い”なら……好きだ)
鍬を振るたび、土がきれいに開き、
それがそのまま「平和の証」に見える。
初めて――
“誰も傷つかない作業”が楽しいと、心から思えた。




