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scene3 村人たちの“いつも通り”すぎる反応
オットーとのやり取りを終えると、すぐ近くの畑で作業していた村人が、
まるで散歩中の犬にでも話しかけるような気軽さで声をかけてきた。
村人A(のんびり笑顔)
「お二人とも顔色いいねぇ。
旅してきたって顔してる。ちゃんとご飯食べてるかい?」
手には鍬。
日差しの下で汗を拭いながらも、視線はひたすら穏やか。
続いて、カゴを抱えた別の女性が、
まるで道端の花を見つけた程度のテンションで近づいてくる。
村人B
「宿ならあっちだよ〜。
あ、それと温泉もあるの。疲れはすぐ取れるからね〜。」
その声も動きも驚くほど自然で、
二人を「旅人」として扱っているだけ――
そこに“警戒”のかけらすらなかった。
まるで、
「昨日から住んでた人」であるかのような距離感。
リオ(心の声)
(……平和すぎて逆に怖い……いや、怖くない……
でも……なんだこれ……不思議すぎる……)
アザル(心の声)
(……ここは天国……? いや、地上……?
どちらでもいい……尊い……)
あまりにも“普通”であることが、
彼らにとっては眩しかった。
これまで肩書きに縛られ、
常に緊張と責任を背負ってきた二人には――
この緩さこそが、
胸に染みるほどの優しさだった。




