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scene6会議は5分で終了
「……以上。本日の“やる気ゼロ会議”を終了します」
マギルが乾いた声で締めの言葉を告げた瞬間、
会議室は待ってましたと言わんばかりに弾けた。
「「「おつかれさまですーーー!!」」」
全員が揃った完璧なハモり。
そのやる気のなさは、もはや芸術である。
獣人将軍は椅子を蹴る勢いで立ち上がり、
廊下のすみで丸くなって再び昼寝へ。
スライムは机の上で、
“ぺしゃ……”と心地よさそうに形を崩し、休憩モードに入る。
死霊術師は何事もなかったかのように
骨の編み針を動かし、黙々と編み物の続きを始めた。
そして、会議の主たる魔王アザルは、
誰にも見られないように背伸びをして、
小さく肩を軽く回す。
(……会議って、こんなに楽でいいんだっけ……)
内心つぶやくその表情は、
戦場では見せたことのないほど穏やかだった。
こうして魔王軍は今日も、
平和を守るために——いや、平和に守られながら、
全力で“何もしない”という
独自の安寧を揺るがぬものとするのだった。




