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scene6 こうして“勇者救出隊”が結成
魔界へ続く荒野の手前で、三人は同時に足を止めた。
ミナは山ほどの荷物を抱え、
ガルドは巨大斧を肩に担ぎ、
シアンはノートとペンを構えている。
誰もが別方向を向いているようで――しかし同じ場所を目指していた。
ミナ(母性100%の顔で)
「リオを助けるわよ!!
絶対に、絶対に今すぐよ!!」
ガルド(斧をぶんと振って)
「よし、殴り込みだ!!
魔王城をぶっ壊して、リオを取り戻す!!」
シアン(淡々と)
「いや殴り込みじゃない。調査だ。
あくまで真相の観察に行くんだよ、君たち……」
三人、しばし沈黙。
……そして。
三人
「――まあいい!! 行くぞ!!!」
目的は三者三様。
勢いも性格もバラバラ。
しかし、向かう先は同じひとつ。
“魔王城――勇者リオが今いる場所へ。”
こうして、
母性暴走の聖女、
脳筋推理の戦士、
観察欲の化身の魔法使い、
というカオス三人組による――
史上もっとも勝手で騒がしい“勇者救出隊”が結成された。
そして彼らは知らない。
その“救出対象”たる勇者リオは今、
魔王アザルの膝を枕に幸せそうに寝ていることを。




