scene4 ミナとガルドと合流
魔界へ向かう街道、その入口にある補給所。
シアンが静かに歩いていくと、
遠くから“異様な圧”が漂ってきた。
巨大な荷車を引きずる白い影。
肩に山のような袋をいくつも担ぐ聖女ミナ。
そして――
大斧をぶんぶん振り回しながら気合を入れている戦士ガルド。
シアンは立ち止まり、目を瞬かせた。
シアン
「……遠足でも行くの?」
ミナ
「遠足じゃないわ!!
これは全部リオを癒すための物資よ!!」
荷車には消毒薬、包帯、ヒーリングアロマ、毛布、クッション、
手作りのスープまで積み上がっている。
シアン
「……小規模な戦場、治癒できそうだけど。」
ミナ
「リオの怪我一つでも見逃さないためよ!!」
その横で、ガルドは気合十分に斧を振り回し、
ガルド
「よし、準備完了だ!
魔王ぶっ飛ばしてリオを連れ帰んぞ!!」
シアン
「……君たち、噂を信じすぎでは?」
ミナ
「噂じゃなくて“母の勘”よ!!」
ガルド
「噂が本当かどうかなんざ、殴ればわかる!!」
シアン
(……なるほど、思考停止の二極構造だね。
感情100%の聖母と、筋肉100%の戦士……)
ミナがぐいっとシアンの手を掴む。
ミナ
「あなたも行くんでしょ!?
ほら早く、隊列を組むわよ!!」
ガルド
「どうせ行くんだろ? なら決まりだ!」
シアン
「いや、行くとは一言も――」
押し切られ、荷車の横に立たされる。
シアン
「……まあいいや。
観察対象が三倍になったし。」
好奇心の勝利である。
こうして、
“勇者救出隊(噂に振り回され隊)”は三人そろい、
魔界へ向けて大移動を開始した。




