scene3 斧を磨きながら決意
ガルドはキャンプへ戻ると、何も言わず腰を下ろした。
次の瞬間、巨大な戦斧を膝にのせ、鉄を擦る鋭い音が静かな空気を切り裂く。
――ギィ……ギン……ギリリ……
焚き火の明かりが、磨かれた刃に妖しく反射した。
剣士仲間
「ガ、ガルド? な、何をそんなに本気で……斧、火花出てるぞ……?」
ガルドは顔を上げない。響くのは低く重い声。
ガルド
「リオを取り戻す準備だ」
剣士仲間
「……取り戻すって、どこからだよ?」
ガルド
「魔王城に決まってんだろ!!」
仲間たちの顔に「は?」が揃って浮かぶ。
周囲
「いや、そんな情報どこにも無いんだけど!?
リオが捕まったなんて誰も……」
ガルドは斧を磨く手を一瞬止め、真剣な目で言い切った。
ガルド
「勇者が“勝ってるのに戻らねぇ”んだぞ?
おかしいに決まってるだろ!!
何かあるんだよ。
……だから行く。殴って確かめる!!」
仲間
「最後のそれで全部台無しだ!!」
だがガルドの目は本気。
刃先に写った自分の顔を見つめ、静かに決意を固めた。
ガルド
「リオが困ってるなら、助ける。
魔王が何かしてるなら、ぶっ飛ばす。
全部違ってたら――その時は全力で謝る!」
周囲
「前半と後半の落差がすごい!!」
しかし、結局誰も止められなかった。
ガルドの揺るぎない“力こそ正義”の信念が、焚き火の炎のように揺らめきながら燃え上がっていた。




