セリーグ全敗と、みちのくダービー
特定のチーム名出て来ます。
私は後ろから嘉くんに抱え込まれている。理由は、広島がサヨナラ負けしたからだ。それも、7点取っていて、それからの逆転負けだ。8点返されるとは思ってないよね。
今日は、絵美も連絡して来ない。宗山選手も出ていたんだけどね。楽天は逆にサヨナラ勝ちしている。今回は、パ・リーグが全勝した。つまり、セ・リーグは全敗した事になる。
「ごめん」
「いやいや、まぁ、気持ちは分かるから」
「ん」
「元気ないね。はいはい、こっち向いて」
「?」
嘉くんは私の背中にくっ付いていたが、私の言葉に身体を正面に移動させるとハグしてあげる。ぽんぽんと背中を軽く叩いて、視線を絡めた。
「私も悲しいよ?」
「うん、ありがと」
しかし、空気を読めない人がいる。LINEのメッセージに私は苦笑した。うん、試合見に行くって昨日言ってたよね。
「序盤から互いに得点を奪い合うシーソーゲームとなった「みちのくダービー」。山形は仙台のカウンターに苦しみながらも、技術の高さを武器に、自陣からパスをつなげて相手に襲い掛かる。2点ずつ積み上げて迎えた後半31分にディサロのシュートが決まり、この試合初めてリードを奪う。しかし、すぐに同点に追い付かれると、終了間際にも直接FKを沈められ、敗戦。プライドを懸けた特別な一戦を落とした山形はこれで4連敗。一方の仙台は上位追走へ、大事な勝点3を手にした」
「それ、絵美?」
「いや、違う」
「愛夢か」
「当たり」
ふと、嘉くんもスマホを手にした。器用に私をハグしたままだ。離してくれても良いんだよ? 何をしているのかと思ったら、中山くんに送っていた。
『野球の試合を確認してから連絡ちょうだい。でも、おめでとう』って送ったらしい。うんまぁ、そうだね。落ち込んでいる時に、こうして、他のそれも、あまり興味の薄いサッカーの話は聞きたくないよね。
『悪い、了解。愛夢には言っておく。ありがとう』そう言って、中山くんからメッセージが返って来た。
「サッカーで、3対4って珍しいね」
「野球みたいな点の取り合いってそんなに無いからね」
「愛夢のテンションが上がるのも分かる。俺でも、カープ勝てばテンション上がるよ」
次は、勝って欲しいね。私は、愛夢ちゃんに『おめでとう、気を付けて帰って来てね』とメッセージを返したのだった。『さくらんぼ、買って帰ります!』嬉しそうな愛夢ちゃんのお土産はさくらんぼな様だ。
2025/06/16 活動報告掲載




