母の日と贈り物
実家の母と通話中だった私は、テーブルに置かれたコーヒーに視線だけのお礼を返した。朝食の後に、今日も嘉くんがコーヒーを淹れてくれた。今日は、日曜日で私も嘉くんもお休みだ。
実家の母に贈ったのは、定番のカーネーションだ。それと、暑くなるので、帽子もチョイスした。莉子さんの誕生日のプレゼントを選びに行った時に、ついでに買った。
『暑くなるから、麻衣も気を付けてね』
「うん、ちゃんと。食べるよ」
『食べさせてもらう、でしょ? 嘉隆くん、ほんと、料理得意な人で良かったわ。麻衣には、ほんと勿体無い旦那さまよね』
「それ、私が一番理解しています。お母さんも、年齢が年齢なんだから、気を付けてね」
母との通話が終わって、隣りを見ると、嘉くんも通話中だった。お義母さんにも母の日の贈り物を贈っていたのだ。実は、今まで贈った事が無くて、結婚後に初めて贈ったら、すごく喜んでくれたらしい。
「大丈夫じゃけん。麻衣にも、伝えておくけぇ」
きっと、私に直接、話したかった様だが、実家の母と話をしていたからね。タイミングが悪かった。今年は、うちの母に贈ったのと同じ様に、帽子だ。それと、去年とは違う色合いのカーネーションにした。
あっさりとした会話で、嘉くんたちの通話は直ぐに終わってしまった。嘉くんは、お義母さんとそれほど長く通話する事は無いので、いつもこんな感じだ。
「お義母さん、元気?」
「うん、まぁ、いつも通りだよ。麻衣に素敵な帽子ありがとうだって」
「良かった。莉子さんの誕生日プレゼントを買った時に、一緒に探したんだよね」
「美月さんのアドバイス付き?」
「うん、選ぶの手伝ってもらった。気に入ってくれて良かったよ」
うちの母に買ったのは、畑作業でも使えるツバが広いもので、丸洗い出来るって、書いてあったので、それにした。機能性重視でオシャレ感は薄い。そして、お義母さんに買ったのは、デザインがオシャレなものにした。こっちは美月さんのアドバイス付きだ。
そして、これからのプレゼント選びは、莉子さんに贈るものを参考にしようと決めた。
2025/05/11 活動報告掲載