莉子さんに贈る誕生日プレゼント
四月二十九日は莉子さんの誕生日だ。子供の頃は、クラス替えがある度にクラスメイトが変わって、誕生日が終わった頃に仲良くなって、プレゼントもらえないのよね、とぼやいていた。
ちなみに、美月さんは十二月二十九日で日にちは莉子さんと一緒だ。そちらは、冬休み中でプレゼントはもらえなかったのよね、と莉子さんと同じ事を言っていて笑った。
そして、今日は美月さんとデートだ。優柔不断な私なので、美月さんを召喚した。嘉くんは、プレゼントを選ぶにはあまり役に立たない、私も人の事言えないんだけどね。
今日は、更に愛夢ちゃんもセットだ。莉子さんのプレゼントを買うためでは無い。旦那様の中山くんのプレゼントを買いたいようだ。ちなみに、中山くんの誕生日は莉子さんの次の日の三十日だ。
男女兼用だと、莉子さんにも似合いそうなので、その線でも良いかもしれない。愛夢ちゃんもプレゼントは、約二十回目になると流石に困っているようだ。それに加えて、クリスマスもあるからね。バレンタインデーはチョコレートだけに落ち着いた様だ。
何回も同じものを選んだ事もあったらしい。去年は時計、一昨年はタンブラーと値段もバラバラだ。一つだけ決めている事があって食べ物だけは避けてきたらしい。確かに、無くなるものは贈りたくないかな。
「美月さんは莉子さんに何を贈っていますか?」
「去年は、傘だった。その前は、リップで更に前はネックレスだったかな」
「あ、もしかして、私がもらった傘って、莉子さんに選んだ時に見つけたものだったんですね」
「そうなの、見た瞬間に麻衣ちゃんを思い出したわ」
去年の五月に傘をもらった。誕生日でも無いので不思議だったのだが、莉子さんの誕生日を買う時に見つけたみたいだ。梅雨時期に入るから、私の誕生日を待つ事無く贈ってくれたようだ。
そして、美月さんは、莉子さんに呆れられながらも私に色々とプレゼントしてくれる。莉子さんに、麻衣を甘やかさないの、って言われているらしい。いや、私欲しいとは言ってませんよ。
「美月さん、傘は傘でも日傘ってどうかな?」
「莉子には良いかも。でも、中山くんへのプレゼントには向かないね」
「でも、男の人でも日傘使っている人いるでしょ? それに日傘ってきっと、プレゼントした事無いよね」
そうですね、そう言って愛夢ちゃんは頷いた。日焼け止めは使っているが、日傘は使った事はないそうだ。屋外に出る事の多い中山家なら有りではないか。
「じゃあ、デザインとか機能性とか見に行きましょうか。私はどうしようかな。今度、フェスがあるよね。日傘と併用してもらう形で帽子にしようかしら」
「それ、良いですね!」
日傘は、普段、莉子さんがどんなものを使っているのか、一緒に行動していると分かるのが助かる、なので、プレゼントとして、良いチョイスだと思った。
美月さんと愛夢ちゃんと電車でお出かけだ。どこに行けば良いのかは、美月さんや愛夢ちゃんが詳しい。私は出掛ける事が少ないからね。去年、傘を買ったお店にしたのは、去年とデザインが違うけれど、莉子さんに似合うものがあると踏んでだ。大きなデパートなので、きっと男性用もあるだろう。最近は、男性も日傘を持ち歩く事もある様だしね。
「男性用って、見て直ぐに分かるんですね。女性用よりも若干、大きいですね」
「シンプルだし、色も男性向けよね。それでいて、ちゃんと日傘になっているし、晴雨兼用なのもあるし、迷うほどに種類も豊富よね」
「黒に近いこの濃い紫が良いな」
愛夢ちゃんが選んだ色は、中山くんのイメージカラーの紫を意識したものだろう。私は気付いたが、美月さんは気付いてはいない様だ。他事務所のサポートメンバーのイメージカラーまで、知っているはずないものね。黒に近いので、陽にかざさないと紫とは分かりにくいので、派手でもないだろう。
そして、あっさり中山くんのは終わってしまった。後は莉子さんの分だけだ。莉子さんの帽子は美月さんが直ぐに決めてしまった。美月さん、決めるの早すぎる。美月さんが選んだのは、つばの広い白い帽子で、シンプルだがよく見るとレース生地で良い感じだ。
派手なものも好まないし、どちらかと黒が好きな感じだが、夏は流石に向かないだろう。次点で白かな、と私でも思う。ふと、思いついた。
じゃあ、帽子と同じ様なものを選べば良い。白で、目立たないけれどレースが使われたもの。それでいてシンプルなものが良いかも知れない。日傘を使えない時に使う事を考えると似た感じにするのもありだろう。
私の判断が正しかった様で、美月さんは嬉しそうだ。いや、美月さんのお陰で決める事が出来た。莉子さんへの誕生日プレゼントはそれほど時間が掛からずに決める事が出来た。莉子さん、喜んでくれるいいね。
2025/04/29 活動報告掲載




