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エイプリルフールと麻衣



 莉子さんに今日の予定を確認していた。ん? これって、前から説明ありましたっけ。事前予定の無い仕事に私は戸惑っていた。

 今日は確か、午後からTV局で、歌うだけでしたよね。それなのに、何時もよりも早く現場入りして下さいって、言われてしまった。

 なので、慌てて事務所から出る事になった。タクシー移動で、タクシーの中で、美月さんにメイクをしてもらうと言う予想外の事が起こっている。タクシーの助手席の莉子さんが今日の説明をしてくれている。

 それによるとどうやら、遅れてくる歌手の人がいて、出番が前後する可能性があるので、もしものために待機して欲しいと言う事だった。ああ、それなら、確かに突然の仕事の意味が分かった。番組に穴を開けるわけにはいかないからね。それにしても、その遅れる可能性のある歌手って誰だろうね。


 TV局に着いて、挨拶をする余裕も無く、それでも、スタッフさんにはきちんと挨拶した。でも、他の出演者さんへの挨拶は残念ながら出来なかった。ちょっと、モヤモヤする。終わったらきちんと挨拶する事にしよう。


 控室で、莉子さんと番組のスタッフさんから、詳しい説明を受けていた。遅れそうだと言われていた歌手の方が無事に到着したらしい。私は、ほっとした。これなら、午後から予定通り自分の出番に登場する事になるだろう。



「じゃあ、麻衣、ちょっと向こうでスタッフさんと打ち合わせしてくるので、出るわね」



 莉子さんは、番組スタッフの人と部屋から出てしまった。美月さんはちょっと、お手洗いにと言って、やはり、莉子さんと一緒に部屋を出てしまった。控室には私だけ残されてしまった。用意してもらったコーヒーでほっと一息着いた。

 今日は、朝に事務所に行っていきなり、TV局に移動させられた。こう言うトラブルは無いわけじゃ無いので、しっかり勉強になった。



「え?」



 不意に私は突然の物音に後ろを振り返った。『ばん』とも『どん』とも言う大きい音に驚いて私は後ろを振り返った。後ろは壁があるだけのはずだ。突然、倒れた壁から意外な人物が現れた。


 髪型を遊ばせた茶髪の人と短髪で金髪の人が有名曲を歌いながら、入って来た。ん? 見た事あるぞ。というか、(よし)くんだ。そうなると、向かって右にいるのは遥くん? ええ! 遥くん、金髪なのですが!



「きゃあ」



 単純に驚いて私は、悲鳴をあげながら距離を取った。手に持ったコーヒーを落とさなかった自分を褒めたい。というか、何故、コスプレして壁からレーゲンボーゲンの二人が出て来て、男性デュオの有名なデビュー曲を歌っているのか。それも、めちゃくちゃ上手い。まぁ、歌手なので当然か。


 何より驚いたのは、金髪な遥くんだった。いつもは黒いし他の色は見た事さえない。それなのに、今回のために金髪にしている。耳には、イヤリング、ピアス穴開けていないので、ピアスっぽく見せているんだと思う。それに、格好もいつものレーゲンボーゲンではない。ごめん、歌が頭に入ってこない。


 人って、驚きすぎると笑う事しかできないのね。私の笑いが止まりそうに無い。やば、自分を作れずにお腹を抱えて笑ってしまった。二人の歌が終わると、更に後ろから、芸人さんが『どっきり大成功』のプラカードを持って現れた。



「うわ、私、騙されたのか」

「川村さん、良い反応ありがとうございます」

「と言うか、あれ、遥くん?」

「今回のために特別、金髪になってくれました。と言うか、浅生(あそう)さんは無視ですか?」

「あ、いや、遥くんの情報量多すぎて。レーゲンボーゲンだと気付いたのは、流石に嘉隆くんが先です。驚きすぎて、歌さえ耳に入ってきませんでした。あれ、もう一度、聞く事出来ませんか?」



 遥くんの金髪のインパクトがありすぎて、嘉くんがいつもの髪型じゃなくて髪を遊ばせた感じにしていたり、いつもと違う格好しているのに、それにさえ気付けなかった。まぁ、嘉くんだとは直ぐに気付いたけれど。更に言うと壁を壊して登場したのだ、そんなコントみたいな登場なんて初めてだ。


 番組内で、騙された様です。レーゲンボーゲンの二人は楽しそうに笑っている。最後にその人たちと自分たちの名前をもじった名乗りで更に笑わせていた。




 2025/04/01 活動報告掲載

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