節分の日に鬼が笑う
私が落花生を撒くって言ったら嘉くんに驚かれた。うちは、節分の豆まきはずっと落花生でしたよ。どうやら、広島では、炒り豆らしい。知らなかった。なので、落花生を買って来たら驚かれたわけだ。
「ごめんなさい」
「知らなかったんだし、気にしない、それに、俺はやるつもりさえなかったしね」
行事を大事にする、麻衣らしいねと言って褒められた。今日は、お互い仕事があって、近所のスーパーで恵方巻きを買ってきた。帰りは嘉くんが後だったので、夕ご飯の支度はまだだったので、大丈夫かなと思ったわけだ。お吸い物だけ用意して、帰りを待っていた。
「恵方巻き、買っちゃった」
「これ、縁起の良い方角を向いて無言で食べるんだっけ。麻衣、食べれるの?」
「頑張る、でもね、自分の分はちゃんとハーフを買った」
「それって、大きさは何でも良いの?」
「どうなんだろう? 恵方巻きなんて、小さい頃は無かったし、大人になってから知ったから良く分からないね」
「俺も詳しい由来とか知らないな」
恵方巻きについて、調べてみた。諸説ありすぎ、縁起物だって言う事は分かった。商都大阪発祥の風習と言われているが、その起源の定説は未だ存在せず不明な点が多い。1998年頃から全国へ広がり、2000年代以降に急速に広まったと言われるが、それ以前に「恵方巻」と呼ばれていたという文献類は見つかっていない。うちの実家では、食べた事ない。海苔巻きなんて、行事の時ぐらいだった。それに、海鮮なんて入らない。たまごとか干瓢とかきゅうりが入っている海苔巻きしか知らない。
「バレンタインデーと一緒でお店の陰謀にしか見えない」
「麻衣が食べたいって思ったなら、お店の陰謀は成功しているね」
「悔しいけれど、そうかもしれない」
「来年は一緒に作ろうか? 好きなもの入れて」
「それは、良い考えですね!」
私が選んだのは、海鮮をメインにしたものと、嘉くん様にお肉をメインにしたものだ。それを見て、麻衣は海鮮好きだよねって言われた。お肉も食べるけれど、どっちかって言うと海鮮の方が好きだ。嘉くんは、海鮮よりもお肉が好きだって言うのも知っているので今回はお肉の恵方巻きにした。
「海鮮は嫌いじゃないよ、麻衣ほどは食べないって言うだけで」
「でも、お肉の方が好きだよね」
「まぁ、そうかな。それ、言ったっけ?」
「うん、遥くんが教えてくれた。昔、焼肉かお寿司の選択で焼肉選んでたって。お肉焼くのにもこだわってたって言ってた」
「随分、昔の話だね。みんなで行くのが焼肉っていうのは多かったよ。基本、遥以外は焼肉派だったからね」
うん、成人男性ならがっつり、お肉が食べたいって言うのも理解出来る。この場合、遥くんが一般的な方じゃないのかな。私だったら、お寿司だね。焼肉はやっぱり、服に匂いが付くから嫌だ。
「お腹空いたよ。ご飯にしない?」
「あ、ごめんなさい。お吸い物温めてくる」
無言で恵方巻きにかぶりつく姿は笑われた。大きい、もっと小さいの選ぶんだった。それと、これゆっくり食べれないのが地味に辛い。それと、一緒に食べて下さい。こっちを見ながら笑っていちゃ、恥ずかしくなります。恵方巻き、願い事を言いながら、食べるなら願い事は一つだろう。これからも、嘉くんと一緒に楽しく、過ごしたいです。
2025/02/02 活動報告掲載




