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呉服の日(五月二十九日)



 全国呉服小売組合総連合会が制定した日だ。日付は「ご(5)ふ(2)く(9)」(呉服)と読む語呂合せからだそうだ。和服業界の振興と、より多くの人に和服の良さ知ってもらうことが目的だそうだ。呉服とは、和服用の織物の総称、または糸が太い綿織物や麻織物の太物(ふともの)に対して絹織物のことを意味する。呉服の名前は、中国の三国時代の呉に由来して、呉の国から伝来した織物という意味があるそうだ。


 浅草には、美月さんの実家の佐伯(さえき)呉服店と、美月さんの嫁ぎ先の杉田呉服店がある。他にもあるけど、私が知っているのはこの二つだ。どっちも言ったことは無い。前に、浴衣を作った時も美月さんのお母さんが反物持って古川家に来てくれたからね。あの時は、知っていたら挨拶したのに、後から知って驚いた。莉子さんの実家のご家族とは、ご実家にお邪魔することもあったけど、美月さんとは、たまに莉子さんを入れて、飲みに行くことぐらいしかしていない。美月さんに、ずるい、って言ったら笑われた。あの時は、徹底して面白いからって言う理由で、遥くんに内緒にしていたらしい。私に言わなかったのは、遥くんと仲が良かったからだ。



「美月さんに呼ばれたの」

「バレたから?」

「美月さんのお母さんが、連れておいで、って言ったらしい」

「なんか、理由があるの? 前に浴衣作ったよね。今度は着物なんて言わないよね」

「ちょっと違うんだ。莉子さんや美月さんも着るよ」

「ああ、呉服の日だからか」

「うん、この日に着物を着よう、と言う動きがあって、是非にって、誘われたんだ」

「でも、着物着るの嫌がってたよね」

「ふふ、着るのはこれです」



 そう言って、私がスマホも画像を嘉くんに見せた。それを見た嘉(よし)くんは良い反応をしてくれた。



「うわー、想像ついたけど、男物だ。俺も着る。そして、麻衣と一緒に写真に取ってもらお」



 遥くんとも撮ろう。三人で並んで撮った写真はSNSの話題を拾った。これが、呉服の普及につながると良いね。



 20.6/05/29 活動報告掲載

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