サイレント・ナイトを君と一緒に(二人だけの時間)
特定のアーティスト名出てきます。ご注意を。
クリスマスは今年もしない、そう言ったのは私だ。でも、私の我儘に付き合う必要もないよ? って嘉くんに言ったら、じゃあ、俺からのプレゼントだけは大目に見て、と言われた。でも、それって私も渡さないといけないやつではないの? 高いものはプレゼントしないからって言う理由でOKしました。
クリスマスなんだけど、料理も普通だし、ケーキもない。イブからクリスマスに日付が変わる頃に通常の動画配信はして、クリスマスソングを歌おうと思っているぐらいが、私らしい。だって、小さい頃はクリスマスよりも敬兄の誕生日をお祝いした。その方が良いよね。それに、私は十一月生まれだし、悠兄は一月生まれだし、家計の負担になるから、クリスマスはやって来なかったのだ。
そして、今夜の夕ご飯は、クリームシチューだ。ここでも、面白い家庭の違いがあった。うちの実家だとシチューはカレーの様にご飯の上にかけるのよね。嘉くんが作ってくれたシチューは、ご飯とシチューが別のお皿でした。それを、知ったのは、去年の冬でした。その事を言ったら、驚かれた。母は洗い物が減るのは効率的だしって言ってた、嘉くんもその事に納得したのか、その後はシチューがご飯の上にかけてあります。そして、今夜のもシチューライスです。
そして、嘉くんからのクリスマスプレゼントはワインでした。ああ、これなら、私が拒否しないだろうというのを見越しての事だろう。うん、これは、断れないし、ぜひ、飲みたい。ワインは三次ワイナリーという広島で有名な醸造所で作られているワインだそうです。地元のって良いよね。それと、初めて知った、「みよし」って読むのね。
「麻衣が実家から送ってもらった箱に入っていたワインも美味しかったけれど、うちの県のも良いかな、と思って選んでみた」
「ああ、南三陸ワインだね。絵美の地元だよ。三次ワインは三次市だっけ」
「一応、うちの市の隣りかな」
嘉くんの地元の安芸高田市の隣りが三次市で、地図では確かにお隣りな様です。でも、あの辺、市町村合併で、色々と合併しちゃったので、元の嘉くんの地元の旧吉田町からは隣りって言うのかな。本人も腑に落ちない様子です。うちのところも、陸前高田市が隣りって言うけど、合併前は、うちの隣りが気仙沼市、その隣りに唐桑町でその隣りが陸前高田市で、結構離れてるんだよね。
ワインはご飯の後に頂きました。一緒にワインに合うチーズも用意してくれていました。ワインだけじゃなくて、ちゃんと食べて欲しいって思ったらしいけれど、今日はきちんと夕ご飯食べてるよ。
「クリスマスだから、ワインだけど、今度は西条の日本酒でも良いかもしれないね」
「日本三大酒どころだね」
「流石、良く分かるね」
「へへ、楽しみだ、あのね、私からもあるの」
「もしかして、お酒?」
「けして飲みたいからって言うだけじゃないのよ?」
冷蔵庫の奥に合ったのは気付かれていたと思う。冷やして飲んだ方が美味しいしね。冷蔵庫から出して来たのは、うちのお隣りなのかこれまた、怪しい、陸前高田市のお酒で『雪っこ』、通常は白い濁り酒なんだけど、今回は限定の桃色だ。もちろん、白も買ってある。年末年始のお祝い用に合わせて出荷されるお酒だ。紅白で綺麗だよね。
「桃色で雪っこって不思議だね」
「まぁ、通常の白い方を指して、雪っこなんだと思うよ」
その後に、配信をしようと仕事部屋に移ることにする。今日は特別、いつもなら、別々に配信するんだけど、今回は二人です。こないだ、クリスマスコンサートで歌ったばかりの『サイレント・ナイトを君と一緒に』を歌いました。今回は私が遥くんのパートを歌う事になったんだけど、嘉くんにつられそうになって、難しかったです。遥くん、よく一緒に歌えるな。これが、二十年の付き合いなのだろうか。それと、私たちならこれでしょ、と言うわけでこれもコンサートで歌ったジョン・レノンさんの『Happy Xmas(War Is Over)』、『イマジン』繋がりです。ほら、英語の曲って、難しいから、定期的に歌った方が良いじゃない? それに、この曲はクリスマスの時にしか歌わないよね。それと、突然、サプライズで嘉くんは『クリスマス・イブ』を歌ってくれたので、私からは竹内まりやさんの『すてきなホリディ』かな。山下達郎さんと竹内まりやさんはご夫婦なので、良いチョイスですよね。
クリスマスだけど、こっちでは、雪は滅多に降らない。ホワイトクリスマスとは何年も無縁だ。東北生まれなので、雪は降らない方が良い、そう思う派だ。現実的だね、っていつも言われる。夢見がちな嘉くんは雪に対する反応は私とちょっと違う。降ったら、ぶち綺麗だろうね、そう言う考えの人だ。私の反応も分かっているから、言葉にするだけで。
嘉くんが作詞してくれた『サイレント・ナイトを君と一緒に』の中では静かに雪が降っている。
舞い落ちる雪の中を 君の手の温もりに触れて
心に灯る暖かな熱を感じるだけ
街は息を止め、静寂に包まれて 僕には君の声しか届かない
きらきらと街灯に照らされた 君が優しく微笑むから
その唇に確かな奇跡を贈ろう
愛している、優しい人
愛している、愛しい人
その歌詞を小さく口ずさむと、私の声に嘉くんは言葉を乗せてくれた。雪は降らないけれど、貴方が優しく微笑むから。流石にワインと濁り酒のちゃんぽんはまずかったか。配信中なんだけど、嘉くんは、飲みすぎたのかうとうとし始めた。私の肩の高さがちょうど良いのか持たれて来る。とろんとした焦点の合わない視線。そして、完全に落ちた。
配信中なので、コメント欄を見ると、嘉くんに対して『かわいい』とか『落ちたw』とか「こんな、可愛い四十歳いるの?』と言われている。やっぱり、可愛いか。私には、『顔色変わらない、マリ姐、すご』『あれくらいじゃ、酔わないのが、マリ姐』、えっと、褒められている気がしないのですが。
「妻より旦那が色っぽいってどう言う事? それ、私が一番、分かっています」
配信はここまでかな、キリの良い時間なので、私たちのクリスマス配信は終わった。お酒はほどほどに。
2024/12/25 活動報告掲載




