牡蠣の日と牡蠣の大量死の話(11月23日)
2003年(平成15年)6月に全国漁業協同組合連合会(全漁連)が制定。
牡蠣の需要は、鍋物食材・贈答用などとして12月にピークを迎えることから、直前の祝日『勤労感謝の日』を記念日とした。また、『勤労感謝の日』に栄養豊富な牡蠣を食べて勤労の疲れを癒してもらおうという思いが込められている。
もうすぐ、その日なんだけど、もしかしたら、食られないかもしれない。
「麻衣、このニュース」
「なに?」
スマホの記事を見て私は視線をあげた。嘉くんの表情は硬いのであまり良いニュースでは無かった。
呉市から東広島市にかけての県中部と、福山市など県東部の海域では、養殖年数の長いカキが大きな被害を受けていて、例年は3割から5割の死滅率が、今シーズンは7割から9割にまで上っている。
県は、カキが高水温と高塩分の環境に同時にさらされて起きた生理障害が原因とみています。
宮城では、少し前にあった、カムチャッカ半島の地震による津波で、養殖筏が流されたり、壊れたりして、牡蠣の水揚げが少なくなるとニュースでやっていた。
「今年の牡蠣、漁獲高、全国的に少なくなる可能性があるって事よね」
「うん、瀬戸内海で八割とか、水揚げされているところに、今回の牡蠣の大量死。岡山や兵庫のだってね」
「そっか」
「食べれないの、悲しい?」
「うん、早く対策出来ると良いね」
「だからって、麻衣が牡蠣を食べるのを遠慮しなくて良いからね」
ふと、私のスマホに絵美からのメッセージが入った。『牡蠣の日』に合わせて、志津川産の牡蠣を送ってくれるらしい。嘉くんは、にっこりと笑うと「食べられそうで良かったね」と言った。届いたら絵美にお礼を言わないといけない。
2025/11/23 活動報告掲載




