大好きな娘に贈る贈り物、杏誕生日(十月二十六日)
私は困っていた。前は、ちょっと奮発してギターにしたんだけど、その後はヘッドフォンを贈った。二十回を超えるとさすがによく続いたなって、自分を褒めたい。彼方や蓮は欲しいものを言ってくれるのだが、杏は遠慮する方だ。なので、毎年、プレゼントに困る。莉子さんや美月さんに相談して決めていた。
「麻衣、難しい顔してどうしたの」
「えー、だって、杏の誕生日が近いから」
「プレゼントで悩んでいるんだ」
「うん、どうしようかなって」
「来月に凛の誕生日があるんだけど、お揃いのものあげたら喜ぶんじゃないの?」
「お、えっとそれって、凛ちゃんは欲しいものあるの?」
「うん、不本意だけど、姉さん情報で、なんだっけ、女の子が好きなナイトウェアのお店」
「なんだろ、真理義姉に聞いても良いかな」
「ごめん、ちゃんと聞いていなくて」
「若い女の子のお店って難しいから、気にしないで。私も心当たりが無いし」
真理義姉に聞いたら教えてくれた。ジェラピケって言ってた。そこのもこもこのルームウェアが良いらしい。じゃあ、杏と色違いとか良いかな。
「嘉くん、ありがとう!」
「いや、結局、お店の名前言えなかったわけだし、ごめん」
「これ、知ってる。愛夢ちゃんがひなたちゃんとお揃いで着ているらしいよ」
「ああ、なんか、愛夢らしいね」
スマホで確認して、通販かな、あんまり通販は利用しないけど、贈る分には良いだろう。この手のもの、私と嘉くんがお店に行ったら浮きまくりだ。
正式じゃ名前は、ジェラートピケって言うんだね。名前と、どんなものが売っているのは、あっさりとした情報でなら知っている。この、もこもこしたルームウェアは可愛いんだけど、私はもこもこするのが嫌い。杏は着ている事あるから大丈夫かな。
「あったかそうだね」
「うん、凛ちゃんは水色が良いよね。杏はどうしようかな」
「そのまま、杏色とかどうなの。オレンジっぽいこれ」
「あ、可愛い。それにしようか」
きっと、凛ちゃんと一緒だっていうだけで、喜んでくれそうだ。ね、嘉くん、そう言って私はピンク色のルームウェアを差した。何の事か分かってくれたようだ。
「光さんのところの六花ちゃん、誕生日、俺知らないよ」
「遥くんは知ってるかな?」
「知ってると思うけど、あげちゃうんだ。麻衣らしいな」
「え、だって、六花ちゃん、寂しがるかなって思って」
優しい嘉くんは、理由を言って、遥くんに聞いてくれた。六花ちゃんの誕生日、まさかの十一月だった。十、十一、十二と三ヶ月連続していた。え、何日? と聞くと、一日だって言われたらしい。うわうわ、杏と六日違うのか。
「あはは、そっちなんだ。俺たちと同じ月なのは意識しないんだね」
「あ、確かに」
纏めて注文したら、凛のはまだ先でしょ、と笑われた。面倒が無くて良いのですよ。送り先は、嘉くん、流石に賢ちゃんの住所は知っていた。実家宛てに送っても良いんじゃないの、って言ってたけど流石にそこは、きちんと叶家に送ってもらう事にしました。
2025/10/26 活動報告掲載




