伊勢海老豊漁
親潮の流れが変わった事によって、幼生が潮に流されて、三陸まで、やって来た。海水の水温の上昇もあって、順調に生育したって言うのが、理由みたいだね。
「伊勢海老かぁ、美味しそうだなぁ」
「三重に行く? 俺のルーツ探しとか?」
「ごめん、三重じゃないんだ。嘉くんの苗字のルーツも名前のルーツも気になるけどね」
「いや、俺の名前の方は関係無いよね?」
「伊勢海老が獲れるけど、鮭は獲れなかったって、ニュースで言ってる」
「それ、三重じゃないんだ」
「うん、絵美が教えてくれた。『伊勢海老、食べにおいでー!』だってさ。伊勢海老のお刺身を絶賛していた」
「絵美が言ってるって事は、南三陸町か」
「うん、そのうち、実家に帰る予定が出来たら食べに行こうかな」
「送ってくれるのとどっちが早いだろうね」
「え、でも、エビフライでも良いけど、新鮮なお刺身食べたい」
なんか、珍しく食に興味があるので、嘉くんに頭を撫ぜられた。伊勢海老は、高級なもので滅多に食べれないものですよね。そう言ったら、『あわび』や『うに』もだって言われた。そうだったのか。野菜と交換で、父がよくもらってきていたんだけどな。
でも、牡蠣だけは、お互い高級食材って言う認識な無かった。
2025/09/27 活動報告掲載