高校野球宮城大会
『麻衣ー、これどうしたら良い?』
「何? ああ、気仙沼も志津川も勝ったのか」
『正確には、南三陸・宮城水産・涌谷・石巻北ね』
「10対0で5回コールド勝ち? なんか、最近聞いたような気がする」
隣りで嘉くんが笑っている。「うち、うちの高校」って言って自分を指さしている。ああ、そう言えば、嘉くんの母校が一回戦で5回コールド勝ちしているね。それも、同じ点数だった。
「もしかして、絵美が困っているのって、どっちを応援したら良いのかって事?」
『うん、お父さんの母校を応援するか、お母さんの母校を応援するかで悩んでいる』
「絵美のお母さんって、正確には鼎じゃ無かったっけ?」
『今は、気仙沼と合併して気仙沼高校です』
市内の男子校と女子校が合併して今は、共学になったんだよね。そして、嘉くん前に東京に来た健太くんを覚えていた様だ。二人ともカープファンで、意気投合していたからね。
「健太さんの母校だっけ」
『あー、よっちゃんその話知っているのか!』
「こっちに来た時に会って、麻衣の小さい頃の話をたくさん聞いたよ」
『健ちゃん、爽やかイケメンで、よっちゃんに似ているでしょー?』
「いや、俺としては分からないけど、麻衣が気になっていたなら、似たタイプなのかな?」
健太くんは、絵美も知っている。健太くんが高校入ってからは、話さなくなったけど、中学三年生の一年間は、一緒に話をしたからね。健太くん、嘉くんに似ているか?
『なので、どっちも応援するね!』
絵美はどっちも応援する事に決めた様です。隣りの嘉くんは、ちょっと意地悪な笑みを浮かべて、「健太さんの母校の応援する?」って聞いて来た。健太くんの母校だから応援するんじゃありませんと答えておいた。あー、笑わないで。むぎゅーと頬を引っ張ると嘉くんはごめん、ごめんと謝ってくれた。
2025/07/14 活動報告掲載




