最後の交流試合と愛夢ちゃんのこと
特定のチーム名、選手名出て来ます。
マツダスタジアムは赤一色に染まっている。広島も楽天もイメージカラーが赤いからだ。これ、東北から応援しに来ている人もいるんだよね。仙台から飛行機になるよね。すごいなぁ。
分かっているんだ、今私はカープ側の応援席にいる。でも、やっぱり、どっちも応援したくなる気持ちが出て来て、楽天が点数を入れると思わずおーと声を上げてしまった。ごめんなさい。隣りの嘉くんは私の反応に笑っている。カープの応援に来ているのに、楽天が打つ度に喜んでしまう。
「ごめん」
「面白いよ。どっちも応援でも良いんじゃない?」
「それは、ダメ」
「相変わらず真面目だね」
今回は、広島出身の宗山くんも出場している。面白い事に、広島の応援席から宗山くんの声援が飛ぶのだ。それもあって、嘉くんは私にどっちの応援でも良いんじゃ無いかって言ったんだと思う。
嘉くんの隣りに座ったお義父さんは隣りの見知らぬおじさんと一緒に盛り上がっている。お義母さんは、ビールの売り子のお姉さんから、ビールを買うと私に差し出してくれた。今日もありがとうございます。
ちなみに、楽天の応援に来ていた地元の人たちに私を知っている人がいて、今日もそっちの応援なんですね、と言われた。ごめんね、と謝るとお互い頑張りましょうね、と言う暖かい言葉が返って来た。みんな優しい。通常の試合に戻ったら、楽天を応援するからね。
地元の嘉くんファンもいた。変装などしていなくて、球団が作ってくれたユニフォームを着ているし、隠そうとしていないので、みんなにバレている。お義父さんとお義母さんも、しっかり、浅生嘉隆の父母ですと挨拶していて苦笑した。なので、嘉くんから地元の言葉が出るけれど、基本、一人称は『僕』なので半分ほど猫を被っている。実は、昨日の試合終わりにサインを頼まれていた。試合中は、みんな応援に夢中だったし、その後に少しだけ付き合ってあげていた。今日は、この後、帰るので、多分その時間は取れそうにない。
結局、5-2でカープが勝った。昨日も勝ったので二連勝だ。この試合は、宮城ではTV中継されているので、絵美もリアルで見ているはずだ。私はほっと胸を撫で下ろす。すごく嬉しい様で、嘉くんは私にハグする。更にキスされそうになったので、流石にそれは、押し返した。みんなの前でなんて、恥ずかしすぎる。だって、これ、マスコミの人が写真におさめているんだよ? TV中継もしているんだよ?
「麻衣のお陰で勝ったけぇ」
インタビューを受けて、そう答えたけど、いやいや勝ったのは、私は関係ありません。ん、でも昔から私が試合を見ながら応援すると、チームが負けるって、言われているから、それか?
インタビューしてくれたお姉さんが満面の笑顔で、「いつも仲がよろしいですね!」って言ってくれた。いつもお世話になっているTV局のアナウンサーさんだ。嘉くん、私をハグしたままだ、恥ずかしすぎる。
交流戦も無事に終わって、私たちは慌ただしく、新幹線で東京に戻る事になった。そう言えば、愛夢ちゃんからメッセージが入っていた。今日は、ベガルタの試合があった。芝生の張り替え工事があって、それがようやく終わって、ホームで試合があった様だ。今までは利府まで行っていたって言うから、仙台駅からかなり遠い。
「愛夢、なんて?」
「残念ながら、引き分けたそうです。楽天が負けたのを知っていた様で、楽天の分まで勝つって意気込んでいたみたいなんだけど」
「ああ、それは残念だね」
「広島は勝ったのにーってぼやいていた」
「サンフレッチェは勝ったんだ」
最近、こないだ嘉くんに野球の試合結果を見てからメッセージ送る様にって言われてから、ちゃんと確認してから連絡してくれるようになったのよね。今回は、サンフレッチェの試合結果も確認してくれた様で、嘉くん苦笑している。広島はダブルで勝利を収めたんだね。おめでとう。
2025/06/23 活動報告掲載




