誕生日プレゼントはトパーズで(sideレーゲンボーゲン)
もうすぐ、麻衣の誕生日だ、その数日後に嘉隆も誕生日を迎える。嘉隆には、数日前に麻衣の姪っ子が東京に遊びに来ると言う話を聞いていた。遥も姪っ子が来るならと、麻衣の部屋に行く事を了承してくれた。最近は、嘉隆に遠慮してか、麻衣の部屋を訪ねる事は少ないし、嘉隆が一緒でなければ、基本、来ない。
そして、誕生日プレゼントを用意しようと言う事になったのだが、遙の提案で、アクセサリーに決まった。一緒に行くのは、雰囲気の同じものを合わせる以外に、あまり高価なものを買わない様にという牽制だ。ほとんど変装していない遥と帽子と眼鏡で変装をしている嘉隆の二人で、アクセサリーショップに入る姿は少し、珍妙だった。
それでも、店員さんはプロだった。営業スマイルを絶やさずに接客をしている。まぁ、後で大騒ぎになるのは目に見えてはいた。遥を知ってるだろう、そうして、変装をしているが嘉隆の方も気付かれている。
「どうせ、指輪とか言うんだろ。あんまり高いのだと、麻衣ちゃん困った顔するぞ。ほどほどのにしとけ。俺はこれが良いと思う。アメシストって、麻衣ちゃんの色だろ、それと、星なんて良いんじゃないか」
「うん、良いと思う。遥が星を選ぶなら俺は月かな。この三日月の間に石嵌まってるの可愛いと思う」
「麻衣ちゃんも嘉もトパーズだよな」
「トパーズ?」
「誕生石」
「なんで、そんな事知ってるんだ」
「前に付き合った女が、四月生まれで、四月だからダイヤモンドでね、って言っていた事あって、ちょっと、調べた。あげてないけど。つうか、そこに一覧ある」
遙の指差した場所には、誕生石が一覧になった、POPが置かれていた。アクセサリーショップでは、よくある事だ。その中の、十一月の欄には、トパーズとシトリンと書かれていた。ちなみに、遥の誕生月の一月はガーネットで遥の色だなと思った。それを、見て遥はトパーズを勧めてきた様だ。
「色の違いに意味あるのか?」
「ブルートパーズがいいいんじゃね? それ、無色のトパーズに色付けているだけだから、値段もほどほどだろ。天然のもあるみたいだけど、もっと良いもの贈りたかったら、早く麻衣ちゃんを落とす事だな」
トパーズには、色々な色の種類があって、有名なのは、黄色だろう。青は、嘉隆の色なので、ここで、意識させてしまえと、遥はアドバイスをくれた。そして、それから、これから贈るなら、純粋な加工されたものではないトパーズを贈れば良い。
2024/11/18 活動報告掲載