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悪意のある普遍的な思想

無い手足がいて

作者: レー・NULL

 手が在るならば、掴むだけの人生を歩めよう。手が無いならば、何も持たぬ人生を歩めよう。手掛かり無しに進む迷路の如くに、この人生は苦悩に満ちている。


 無い手足掻いて進むのみ。泣いて足掻いて、吠えて苦しんで、のたうち回るが人生だ。足は有るだけ前に進み、手が無いゆえに何も掴めぬ。


 手を尽くせ、手を尽くせ、手が無くとも手を尽くせ。尽くし尽くして手を尽くし、今やもう何が残る。風が吹けば埋もれるだけの、足跡、痕跡、ただの傷。本当にここは砂漠のようだ。尽きて、枯れて、何もない。


 手が在るならば、掴むだけの人生を歩めよう。掴む、掴まぬは人により、それでも大きく違うだろう。掴んで、力んで、繋ぎ止め。落とした時が絶望だろうか。何を見れども先は無い。


 どれだけ器用な手足が在るならば、この世界を生きれるだろうか。在れども足らずに、無ければ尚更に足りず。過不足無く満ちることなど無いように、苦しい道を歩むだけ。


 無い手足掻いて進みます。泣いて足掻いても何もない。吠えて苦しんでも得られない。のたうち回り何時かは終わるが人生だ。


 足掻くだけの足はある、苦しく進む足はある、のたうち回るが動ける足はある。風が吹けば消えるが、足跡だけは残るだろう。


 それなら、本当に不幸な事が何処に在るだろうか。きっと、無い手足が居て、その不幸を踏んで立っている不幸こそ、私達なのかも知れない。


 無い手足掻いて進むのみ。泣いて足掻いて、吠えて苦しんで、のたうち回るが人生だ。足は有るだけ前に進み、手が無くとも足掻いて足跡を刻むのみ。

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