祐司と鈴
美樹ちゃんのお友達、鈴ちゃんの話。
祐司と鈴は友達の紹介で付き合い始めた。 始めてあったとき鈴は祐司のことを「綺麗な顔した男の人だなぁ。」と思った。そして祐司は「テレビの深夜番組とかにでてるなんて変なやつ。」って思っていたらしい。祐司は大学生だったが、鈴は働いていたので、学生の祐司と遊ぶのは楽しかった。
祐司はオフロードバイクが好きで、週末はデートもかねていつもオフロードバイクに乗れるコースに行っていた。鈴はもちろん、見てるだけだが。
祐司のすすめもあって鈴もバイクの免許をとった。長い休暇が取れる時は二人でツーリングしながら色々なところにいった。彼がよくいくバイクショップで仲良くなった人たちと大勢でツーリングしたり、キャンプに行ったり、鈴の世界はどんどん広がっていった。
ようやく祐司は大学を卒業し、就職が決まった。仕事がお互い忙しくても時間を作ってはツーリングにはよく出かけた。祐司の親友の健も時々一緒にツーリングについてくるようになった。ある日健が、とっても可愛い女の子をタンデムでつれてきた。かおりちゃんというらしい。彼女は私らより1つ年下で、とってもおっとりしていて、可愛い子。どうやら、健の一目ぼれでもうアタックの末に彼女になってもらえたらしい。それからは4人でツーリング、キャンプに出かけることが多くなった。
そして、健はとっても、とってもそりゃー目に入れても痛くないくらいかおりちゃんのことを愛していたので、付き合い始めてなんと6ヶ月目には結婚してしまった。もちろん鈴は二人がうらやましかったし、自分も祐司と結婚できたらいいなぁと思っていた。健とかおりちゃん達も祐司にいつも「お前達いつ結婚するの?」って聞いていたから彼もそれなりに意識してると思う。
会社でも結婚ラッシュで鈴はお局になる前に結婚したいなと考えていたから、婚約が決まった時はすごく嬉しかった。結納もして、婚約指輪もらい、二人で住むところも決めた。
結婚式の日取りが近まって来てから、祐司の様子がおかしくなった。すでに同棲していたからいつも決まった時間に帰ってくるはずなのに、「招待客の名簿とか色々結婚式の細かい打ち合わせしないといけないから、早く帰ってきてね。」という日に限って帰ってこないし、連絡がつかない日が多くなった。
心の中がざわざわする。
祐司が結婚式の日取りを延期してほしいと言ってきた。仕事が忙しくなってきたからって。で、いつにするの?と聞いたらだんまり。。。
結局私の仕事場には結婚式が延期になったことを上司に伝えた。仲のいい先輩からは「あれ、結婚式どうなった?」と聞かれ、ちょっとつまりつつも「延期になりました」と答えた。
延期になってから3ヵ月後、父親がアパートに来た。私はあまり父親っこじゃないけど、真剣な顔で話があるといってきた。祐司が実家にいったらしい。(私は聞いてないぞ)そして、祐司が「婚約解消したい」と言ってきたらしい。理由を尋ねても答えず。父親は泣きながら、私にその話をした。頭の中が真っ白になって、言葉もでてこない。泣いている父親をみていたら、私の悲しい気持ちよりも申し訳ない気持ちがつのってきた。
祐司は連絡つかず。父親は実家に帰り、一人になったら、悲しさがこみ上げてきた。何も人の誕生日の前の日に婚約破棄しなくてもいいだろ!しかもむかついたのは誕生日当日にプレゼントが玄関のドアにかけてあった。ご丁寧に手紙つきで。「鈴のことは好きだけど、結婚できない」って。なんだよ、それ。
地球は回る、会社はある。とりあえず仕事には行く。仕事の合間にトイレに行っては泣き、家に帰ってからは何も食べれない。友達夫婦が心配して毎日仕事帰りに来てくれた。そして心配だから当分の間うちに住めばいいよと言ってくれたので、アパート引き払ってお世話になることにした。
彼らにはかわいい幼稚園の年頃の子供がいる。子供は大人の心を癒すのよ。
ある日のこと友達家族が買い物から帰ってきて、彼らの子供が私にこういった。「さっきね、祐司君まてまてしたよ!」
「???」
どういうこと?と視線を友達夫婦に移すと、言いにくそうに、「実はさっきスーパーで祐司君みたんだけど、女の人と一緒で。。。」で、車でおっかけたらしい。。。そして二人は手をつないで一緒のアパートにはいっていったと。。。
そういうこと。
別れて1ヶ月もたってませんけど。
健とかおりちゃんに話を聞くことにした。そしたら、ものすごく話しずらそうに祐司には女害たこと話してくれた。
美樹の元彼の翔くんのほうがよっぽど男らしいじゃん。男だったら嘘つくな!