翔と美樹
翔と美樹は大学からの付き合いで、かれこれ5年ほど付き合っている。お互い就職して、仕事も順調で仲も悪くない。
ある日、翔の転勤話が出た。美樹は前からやりたかった仕事に転職したばかりで、やりがいも感じていたし、翔について行くという事も考えてなかった。幸いな事に転勤先は隣の県。毎週とまではいかないが、月に何度かは行けない距離じゃない。車を走らせれば、2時間ちょっとだ。
お互い休みが合う週末は、行ったり来たりして一緒に過ごした。たまに会うから、かえって盛り上がったりもした。
遠距離恋愛悪くない。
友達達が結婚し始めて、美樹はそろそろ自分たちもかな~とか考えていた。
今週末、話してみようかな、今後の私達の未来。
美樹は、ご機嫌でハンドルを握り、翔のアパートへ向かっていた。昼ちょっと過ぎに翔のアパートについて、近くのカフェにランチに行った。なぜか今日の翔はちょっとだけ静かでいつもと違う雰囲気。
もしかして、もしかして、いよいよ?
『美樹、大事な話がある。美樹の事は好きだ。でも美樹以上に好きな人が出来た。ごめん、別れてくれ。』
『えっ!!!』
それ以上は言葉が出なかった。だって、私のことは好きなのに、それ以上に好きな人が出来たって事は勝ち目ないじゃん。どう、戦っても負け見えてるじゃん。
コクンと頷いて、お店出て、泣きながら高速道路で運転して自分のアパートに帰ってきた。
風の噂で翔は新しい彼女と1年もしないうちに結婚して、今は子供も出来てパパになったと共通の友達から聞いた。
翔以上に好きな人できるかな。。。