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仲直りの後と文化祭準備


「あれは……」


 フィリオスが生徒会の業務から逃げ出したイメリードを引き摺って生徒会室に戻る途中、渡り廊下で笑い合う3人と彼女たちよりも数歩先をあるく姉の姿を見つけた。思わず足を止めると『うぇ〜……』とよく分からない鳴き声をあげていたイメリードは疑問に思い、視線の先を見た。


「あ、仲直り出来たんですね。良かった」


「知っていたのか?」


「まぁ、先輩のお姉さんの独り言を聞いた感じなんですけど。そういう先輩こそ知ってたんですね。てっきり姉弟仲はそうでも無い……というか過干渉しないタイプかと」


「いや、僕は姉様からではなく先輩、クリュッセル嬢から相談を受けたから知ってるだけだ。まぁ、名前はあげてなかったが話しぶりから十中八九姉様の事だろうとは思ってたが……」


 そう話している間に4人はサロンのある教室へと向かうために渡り廊下を曲がり姿が見えなくなる。イメリードが『あーあ、逃げ出せたと思ったのになぁ。また書類整理か〜』と愚痴を漏らしながら歩き始めるがフィリオスは動かなかった。


「先輩?どうしましたか?まさかあの真面目な先輩まで僕と同じようにサボろうって……」


「……そんなわけないだろう。寝言は寝て言え」


「冷たぁっ!先輩、そんな態度好きな人に取ると嫌われちゃいますよ〜」


「……っ!五月蝿い!お前に分かるはずが無いだろう!?どんな態度を取ったって……」


 カッとなり声を上げるとイメリードは驚き怯む。フィリオスが冷静さを取り戻すとバツが悪そうに視線を逸らした。


「……すまない。少し、カッとなってしまった」


「い、いや、すみません僕の方こそ。……先輩ひとつ聞かせて下さい。もしかしてクリュッセル嬢のことを……?」


「……あぁ、そうだよ。僕は彼女のことを好ましく思ってる。告白してもいい。だけど、そうは行かないんだ」


 俯いて拳を握る。イメリードはひとつため息をついた。


「……先輩。とりあえず今は仕事をしましょう?丁度面倒……楽しみな文化祭の関係で書類が多いですし、他の事に打ち込んで今は忘れることが出来そうですし、終わったら先輩の失恋話聞きますよ」


「人の恋を勝手に終わらせるな。どうせダメでも想い続けるよ。とりあえず生徒会室に行こう。先輩方を待たせてるから」


 そう言うと2人は生徒会室へと向かった。しかし道中、教師に捕まり大量の書類を渡されたふたりはゲンナリとし、扉の向こうへと助けを求め生徒会室の扉をガスティンに開けて貰ったのだった。








 一方その頃、クリュッセル達はサロンの本棚から有名な文学作品をピックアップしてテーブルの上に並べていた。4人が取り囲む文学作品は演劇としても広く知られている作品であり、文化祭への準備として欠かせないものだった。


「やはり私達は出ない方が……」


「いけませんわ!折角の文化祭の演劇を出ないなんて」


「そうは言われましても……男装しなくてはいけない話が多いんですよ。魔法薬の利用は禁止されてる分でどうにかしないといけないのでそうなると大分作品が限られますから……」


「まぁ、それなら男装は2人で済むこちらの作品にいたしましょう?」


 そう言いラスティークが手にしたのはクリュッセルが内心で『白鳥の湖』と呼んでいる作品だった。


「これならセリフを一から覚える必要もありませんし、衣装も白を基調とした物と黒を基調とした物を用意すればいいだけですもの」


「確かにそうですけれど……どうしてそこまで演劇をしたがるんですの?」


「それは……」


 ラスティークは少し言い淀むとまた口を開く。


「それは、私の目標でもあるからですわ」


「目標?」


「えぇ、私の母はもう他界してると話したでしょう?その母が学園の演劇の舞台で脚光を浴びたからこそ私も憧れて、この舞台で脚光を浴びたいからですわ」


 迷いなくラスティークが言うとロゼールは吹き出し、クリュッセルとウィーナは温かい目で見つめる。ラスティークは顔を赤くして『い、いいじゃありませんの!?私だって夢やしたいことの一つや二つはありますわよ!』と語る。


「えぇ、勿論分かってますわ」


 そうクリュッセルが言いながら本を手にする。


「ねぇ、ロゼール、ウィーナ。私はこの作品、素敵だから是非演じたいのだけれど2人はどうかしら?」


 柔らかく微笑んでクリュッセルの問いかけに2人が声を揃えて答える。


「勿論、演じてみたいです」


「是非演じさせてもらいたいわ!」


 その言葉にラスティークが声にすることなく頬を紅潮させて喜ぶがハッとすると咳払いをしていつもの冷静な表情に戻る。


「な、なら私たちはこの作品で演劇するという事を書類に書いて出しておきますわね」


 そう言いペンを紙に走らせるとラスティーク自らが職員室へと運びに行った。残された3人は本を戻しながらどの役をしたいか、時間制限の中での脚本をどうするかを少しだけ相談するのだった。


 時間が飛んだように思えるかもしれませんが安心してください。時間は飛んでません。文化祭って意外と夏季休暇の後1ヶ月くらいで来てたイメージからなので安心してください。


↓↓↓作者より

 もうすぐ話数も3桁ですが、文化祭編はどうなるか分かりません。多分途中で切れてしまう可能性もあるので文字数増やして駆け足にするか準備だけで終わらせるかです。

後者は出来ればしたくないので頑張ります。

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