夏季休暇 2
クリュッセルの家庭は理想の欲張りパック家庭
昨日に載せられなくてすみませんでしたー!m(_ _)m
──クリュッセルside──
屋敷の扉を開けるなり、父と母が出迎える。
「おかえりなさい、クリュッセル」
「おっかえり〜!マイスウィートエンジェルー!!」
「ただいま帰りました。お父様、お母様。そしてお父様はその呼び方をやめてください」
静かな母の出迎えと熱い父の抱擁に思わず笑いが零れる。例え意識の中では血が繋がっていなくとも、大切な家族だ。前世よりも少し近い距離感に心がこそばゆくなりながら1度部屋へ戻り、荷物を置いて着替えてくることにする。
「は〜!なんか落ち着くような気がするわ〜」
早速ベッドに倒れ込むとリャイナが少しため息を零してドレスの用意をする。
「まったく、お嬢様。そのままではシワになってしまいますよ。ほら、こちらのドレスに御召替えてください」
ゆったりとしたドレスを手にリャイナがクリュッセルを起こして着替えさせる。
「着替え終わったら休んでからでもいいそうですから伯爵様方に学園でのことをお話して欲しいそうですよ。もちろん、精霊様もですが」
その言葉にエトワールは窓辺の小鳥から姿を変える。
「え〜っと、契約者の御両親って事でしょ?いつでも準備できてるから構わないけど問題は契約者なんだよね……」
リャイナがその言葉にハッとするとクリュッセルはゴロゴロとベッドの上に寝転がっており、髪が完全に乱れていた。
「お嬢様!」
「夕食まで時間はあるし大丈夫よ。それにリャイナが居るもの」
えへへっ。と無邪気に笑うとリャイナは頭を抱える。そして、クリュッセルの事をそっと起こすと乱れきってしまった髪を梳く。
「……もう、お嬢様、そうかもしれませんが私の気にもなって下さい。それに、お嬢様は今期だけでもたくさんのことを経験したのです。思い出が色褪せないうちにお話しなさって下さい」
「は〜い。分かったわよ。それじゃあリャイナが私がめちゃくちゃにしたこの髪を梳かしてくれた後には行くわ。……でも、どこにいけばいいの?」
クリュッセルが後ろを見上げながら問いかけるとリャイナは答えた。
「中庭だそうですよ。アフタヌーンティーを用意するそうです」
「あぁ、来たね。ここだよ」
「お待たせしました。お父様、お母様」
シンプル且つ動きやすいワンピースタイプのドレスで向かうと中庭にテーブルと椅子とパラソルを用意させ座る2人の姿が見える。礼儀正しくそう挨拶すると父であるイーヴィヒカイトがクリュッセルの手を引く。
「ほら、ここに座ってくれ。そこの精霊さんも、席を用意したよ」
「もう、あなたったら……クリュッセルと精霊さんが困っちゃうでしょう。ごめんなさいね、2人とも。この人、すっかりテンションが上がっちゃってて……」
頬に手を当てて『全くもう……』と呆れながら愛しげに見つめる母が近くの使用人にお茶を頼む。
クリュッセルとエトワールがイーヴィヒカイトに急かされながら椅子に座ると犬のようなキラキラした目で問いかけられる
「それじゃあ、早速だけど学園の出来事を教えてくれるかい?あとは、そこの精霊さんのことも!」
「えっと、その……」
学園でのことは兎も角、精霊─エトワール─の事を簡単にどう説明しようかと悩んでいると母のリーベが口を開く
「大丈夫よ、大抵の事はこちらにも情報が入っているわ。貴女は貴女の話したいことを好きに話して」
ふふふっ、と笑いながら茶目っ気を感じさせるウインクをする
「……そうですわね。まずは隣の契約精霊のことから紹介させて貰いますわ。この人はエトワール=ラ=グラスと言うの。どうやら性別が自由に変わるみたいで、種族も変化の魔法を使えば簡単に変えられる見たいなの!」
「へぇ、やっぱり君がクリュッセルの契約精霊か。よろしくね、エトワール=ラ=グラス」
「いえ、こちらこそ。契約者─クリュッセル様方にはお世話になっていますので」
爽やかな社交辞令の挨拶を交わすイーヴィヒカイトとエトワールを他所にリーベは少しワクワクとした顔でクリュッセルを見つめる。
「……どうされましたか?お母様」
「ん?ふふふ〜貴女の顔がなんだか明るくて恋する子みたいだから何となく嬉しくって」
その母親ならではの鋭い気付きにパッと立ち上がるとイーヴィヒカイトは叫ぶ。
「何だと!!うちの可愛い可愛いクリュッセルはこのパパと結婚するんじゃなかったのか!???」
「いつの話ですか!」
「クリュッセルが私の後をてちてちと可愛く付いて来た頃に言ってくれたぞ。『将来はパパのお嫁さんになって領地を収めるんだ〜』って」
「その頃の言葉は忘れて下さい!無効です!」
顔を赤くして反論するクリュッセルを見てリーベはイーヴィヒカイトを落ち着かせる。
「まぁまぁ。クリュッセルも大きくなったのだから、ね?」
「む、そうだが……心配だなぁ」
「心配なさらないで下さい!私の好きな相手は由緒正しい公爵家の令嬢ですから!ね?」
クリュッセルがそう声にするとイーヴィヒカイトは顔を歪めて涙を溜め始める。
「ううっ……クリュッセル……お嫁にいかないでくれぇ……」
「まだ気が早いわよ」
震えるイーヴィヒカイトにリーベがそうツッコミを入れると話を戻すべくリーベが問いかけた。
「それで、そのお相手の名前は?」
「その……あの……」
言い淀むクリュッセルに2人は顔を見合わせる。
「まさかとは思うが……クズ野郎とかじい様とかでは無いよな……??」
「待って、私なんだか嫌な予感がするの。だけれど、クリュッセルの話は聞きたいわ。正直に
話してちょうだい。絶対に気絶しないから」
手を握りあってクリュッセルを見つめるとクリュッセルは勘弁したように答えた
「……私が好きなのは……同性のラスティーク・ナリュータ公爵令嬢です……わ……」
クリュッセルの言葉に2人は声を上げた。
「待ってくれクリュッセル。君を虐めてきた主犯格の令嬢だろう?もしかして……娘にそんな趣味が!?パパショック!」
「違いますわ!!」
「百歩譲って令息なら分かりますわ。けれど令嬢でしょう?この国の法律じゃあ結婚できませんわよ!」
「待ってくれリーベ!おかしい!君ちょっとズレてる!」
「貴方こそ!クリュッセルは元々少し変わっていた子だったでしょう!?」
「もう!お父様もお母様も一旦落ち着いて下さいませ!私が原因ではありますけれど!」
混乱の中クリュッセルが声をあげると2人のはすぐに静かになった。そして、クリュッセルに質問をする。
「それじゃあ、クリュッセルはラスティーク嬢のことが恋愛感情として好き……なんだよね?」
「えぇ、勿論ですわ!確かに嫌がらせは受けていましたけれど、そもそも気にする程ではありませんでしたし、何より彼女の芯の美しさが綺麗だからこそ好きになれましたのよ。勿論令息も恋愛対象には入りますけれど……それでも好きになったのは彼女ですもの。お父様方の愛もそこからなのでしょう?」
「そうだが……」
「だったら私の恋を応援して下さいな。私は一般的に見たら異端だけれども、それでもこの思いは止められませんもの」
そう話すクリュッセルに2人はそっと寄り添い、言葉を与える。
「さっきはすまなかった、クリュッセル。お前の気持ちを踏みつけてしまって」
「私も混乱していましたわね。そうだわ、隣国でなら同性婚も出来る様だし、いざとなれば駆け落ちなさい。私たちでも多少なら支援できますわ」
暖かな言葉で彼女を受け止め、受け入れる。記憶が戻ってから両親にバレた時にどうなるか少し不安だった心の氷が溶ける
「お父様、お母様。ありがとうございます。私、
お2人の娘に産まれることができて本当に幸せですわ!」
家族3人が抱き締め合う。そんなありきたりで非平凡な絵はとても幸せそうだった。
父の名前はドイツ語の永遠、母の名前はドイツ語の愛 (だったはず)。というわけで昨日に引き続き家庭編でした。次からちゃんと夏休みさせます(季節外れ)
ということで、これで更にスカンブルートにヘイト向けてください。私あのキャラ作った本人だけど嫌いです。苦手。クズ野郎滅せよ。ヒロイン泣かせるな!( ꐦ ◜௰◝)




