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パーティー 7


 ダンスが終わり、2曲目までの小休憩の頃の事。クリュッセルの元にはネメシアとわかれたロゼールと壁際で待機していたウィーナが駆け寄ると、隣にいたフィリオスが『おっと』とわざとらしく声を上げる

 「あら、失礼しましたわ。もう次の令嬢に声をかけに行ったものかと」

 「ま、まさか。ここで下手に他の令嬢を誘ってみたらどうなる事やら。……とは言いつつ、最低でも他に2人とは踊らなくてはいけないので……名残惜しいですが失礼させていただきますね。先輩、もしよろしければまた踊ってください」

 そう言い、一礼するとフィリオスはその場を去る。そして、その姿にロゼールはシッシッと手を払い、ウィーナは苦笑いでその様子を控えめに窘めながら見守る横でクリュッセルはゲームのイベントについて思い出していた

 (……確かこの頃のイベントにルート確定イベントがあった……気が…………!?待って、もしかしなくとも今のダンスってルート確定イベントだった!?あー!そういえばそうだった!くっ……ラスティーク様への告白に気を取られてすっかり忘れてた……!とはいえ一応ラスティーク様とフィリオスは姉弟。ここからルート分岐も有り得る。……うん、ならよし!)

 半ば強引に納得すると2人に声をかけて中央塔を後にしようとする。しかし、その背中にぞわりとした何かを感じて後ろを振り向くとグレイスが立っていた

 「あら、どうされましたか?まだパーティーの途中と言うのに」

 そこの見えぬ笑みで中の良さそうな空気を纏いながら問いかける姿は遠目に見ればダンスがまだ続くのに去ろうとする友人を引き留めるように見えただろう。後ろにマニカやアイリス達が陣取るまでは

 「別に、私たちはゆっくりと日の光を浴びようかと思っていただけですわ」

 「まぁ、それならここでもできますわよ。だって天井はガラス張りでしょう?それにゆっくりとしたいならダンスも全て断ればいいではありませんか」

 退路を塞ぐために次々と提案するグレイス。ロゼールとウィーナは背後のマニカ達に警戒をよせる

 「それもいいかもしれないわね。けれど、私には大切な友人達がいますの。彼女たちとお茶会をしてゆっくりと音楽ではなく人々の喧騒を聞きながら過ごしたいんですの」

 「……不思議な方ね。わざわざそんな女(平民)と仲良くしなければいいのに。ねぇ、そこのあなた。ちょっといいかしら?」

 グレイスはそう言うとウィーナを扇子で指して近くまで来させると問いかける

 「あなたはこの先、学園を卒業したあとも彼女たちと仲良くできると本当に思っているの?飽きたら捨てられるとは思わないの?」

 「…………私は、」

 ウィーナが少し考えて言葉を紡ぐ。クリュッセルとロゼールに微笑みかけてから

 「……私は例え今だけの関係であっても構いません。飽きたら捨てられる玩具扱いでも、それでも彼女たちは、私の大切な友人達が私を受け入れてくれた事実は覆ることがありませんから」

 その言葉にグレイスがカッとなり、手をあげる。バチンと大きめの音がすると会場の1部の視線を集める。その中にはラスティークとイメリード、フィリオスもあった。ラスティークは騒ぎの中心にクリュッセルが居ることと自身の取り巻きであるはずのグレイスが居ることを確認するとイメリードに声をかける

 「ごめんなさい。私、少しするべきことが起きたようなの」

 「えぇ、分かってますよ。いってらっしゃいませ、ラスティーク嬢」

 イメリードが快く笑顔で送り出し、ラスティークは駆け足で騒ぎの中心部へと向かっていた


 「っ、」

 ウィーナが頬を抑えてクリュッセルの贈ったネックレスを隠す姿勢になるとロゼールがウィーナを包み込むように抱きかかえる

 「ウィーナ!!」

 「グレイス嬢、これは看過しかねます。なぜ彼女に手を上げたのですか」

 冷たい目でクリュッセルが問いかけるとグレイスは憎しみを顕にした表情で答えた

 「何故?どう考えてもこの平民が知ったような口を聞いて私の慈悲を無駄にしたからに決まっているでしょう!?」

 「なっ……!」

 怒りと呆れのあまり声を出せずにいると外から声が聞こえた

 「お待ちなさい!」

 その声の方向へ視線を向けるとそこにはラスティークが立っていた

 「ラ、ラスティーク様!?」

 「なんでしょう?ラスティーク様」

 「グレイス、貴女は何をしているの?折角のパーティーに騒ぎを起こして、話を聞いた限りでは貴女が一方的に特待生の彼女に手を上げた様だけれど」

 ラスティークが僅かな情報から冷静に状況を把握しながらそう問いかけるとグレイスは笑う

 「ふふふっ……何を……ですか?ただこの平民が身分も弁えずに彼女たちを友人と呼んだからに決まっているでしょう?もし先程の問いに別れる事を答えていたらこんなことまでせずに済んだと言うのに」

 「なっ……、貴女、本当に何を考えているの!?」

 「五月蝿いですわね」

 ピシャリとグレイスが言い放つ。冷たい目を向けられたラスティークは固まり、その耳元に囁く

 「残念だけれど、貴女の時代は終わったのよ?貴女の持っていた取り巻きは全員私の元に来た。貴女は負けたの。同格の令嬢もサロンに入れてトップに立つ事が出来て良かったわね?……あぁ、それも過去のことだったわ」

 ラスティークが『嘘でしょう……』という顔をしてマニカとアイリスに視線を移すと2人は視線を逸らす

 その姿にラスティークが傷付くと同時にグレイスがロゼールに抱かれるウィーナに手を伸ばす

 「ふふふっ……ごめんなさいね。私、少しカッとなってしまったようなの。治癒魔法はかけるからこれ以上騒がないで頂戴ね?」

 そう言うと呪文を唱えて自身が叩いた頬を治療する。そして、クリュッセルに向き直ると一礼してその場を立ち去った


 いえーい!グレイス出してから書きたかったシーン書いたー(*^^)v


今週の一言↓↓↓

 最近寒すぎて部屋の暖房器具の電源を入れるか迷ってるけど読者の皆様はどうでしょうか?風邪ひかない様に気をつけてくださいね。みかんいっぱい食べたい。

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