会遇
リトルフェンリルとの戦いを終え、体力を消耗したが、クリュッセルたちは奥へ奥へと進んでいく
周囲の空気も少しずつ冷えているのか肺に入る空気は冷たい。案内の精霊たちはその様子をみてどんどん先に行こうとして駆け出すが、魔力を消耗しすぎたのか足元がふらふらしている
クリュッセルたちは見失わないように注意しながら急ぎ足でついて行く
しばらく進むと、精霊のうち少年の方がバランスを崩して倒れると少し前を行っていた獣の精霊は近くへと走り、心配そうに周りをくるくる回る。クリュッセルたちが近付き、ガスティンが手を差し伸べると、少年の精霊は手を取ってもう一度駆け出した
呆気に取られた3人だが、ここで置いてけぼりにされる訳にもいかず、開いた間を埋めるため、駆け出した
追いついてからどれ程歩いたのだろうか、下り道が終わり、足場が比較的平坦な道を歩むうちに水辺らしき開けた場所に着いた
「ここは……水辺……なのか……?」
「そのようですわね。氷の下には魚もいるようですし。それにしても……」
「綺麗……ですわね……」
碧く自然発光する鉱石によってほんのりと明るい洞窟内だが、この水辺では水中にある鉱石が水で更にキラキラと輝き、張っている氷に反射され、昼間の様な明るさを持っていた
3人はその美しさに目を奪われ、しばらくの間、ただじっとその風景を目に焼き付けており、精霊たちはその様子をみて地面へぺたりと座ると仮眠をとり始めていた
そして、3人が振り返ると丸まりながら眠る1人と1匹がおり、こんな状況でありながら微笑ましいその光景に思わず笑顔が溢れた。3人は、精霊たちが目覚めるまでの間、もう一度休憩をとることにし、鞄に入っていたチョコレートを一欠片ずつ食べ、飲み物をそれぞれのカップに注ぐと、冷えている身体を温めるために飲み干した
小一時間ほどすると、精霊たちも目が覚めたようで、慌てて飛び起きるとペコペコと頭を下げて謝罪らしき動作をして、今度はゆっくりと案内を始めた
奥へと進むうちに空気が張り詰めているかのように冷えていく。これ以上身体を冷やす訳にはいかないと防寒魔法を全員に施して進むと、洞窟の天井には氷柱ができ始め、地面も霜が降りている
精霊たちは少し止まると道の先にある白い壁を指さした
そして、その壁にガスティンが恐る恐る触れると、触れた場所からその白い壁が溶けて水へと変わっていく
溶けて壊れた壁の先へと勇気をだして1歩踏み込むとそこには、巨大な空間と、高い空が広がっていた。そして、その空間のど真ん中にはとぐろを巻いた水色の鱗をもつ竜が鎮座していた
その竜の持つ気迫に3人は圧倒された。しかし、同時にこう思った『なんて美しいのだろう』と
そして竜は色の異なる瞳でクリュッセルたちの姿を捉え、透き通るような美しく、毒を秘めた声で告げた
《あぁ、ようやく来てくれたのね……さぁ、私の理性でこの衝動を抑えているうちに、私のことを殺して頂戴》
ようやく出会いました。今回の暴走の犯人、竜精霊さんです。氷系の魔物や精霊さんは儚げな美しさを持つので、心奪われて恋に落ちた人間もいます (設定)
ちなみに彼女(竜精霊)はとっても美人さんです
↓↓↓作者のぐだぐだトーク
ここでちょっとした細かい設定を
今回のあとがきにある氷系精霊さんに恋をした人間の話ですが、実は全ての属性においてこのタイプの話はあります
例えば、炎系精霊なら褐色系美人ですし、土系精霊なら文学系美人です
最終的に恋に落ちた人間はその精霊によっておちは様々ですが、基本的には結ばれずにその生を終えてしまいます
これが、異種族であり、住む世界が違う者へ恋をした人間たちの末路です
ちょっと悲しめのお話も多いので、エイプリルフールのSSがかけた時にこういうお話も書こうかなって思います




