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移動一日目 夕方


 ルーレイトの町を出てからしばらくの間は、宝石を散りばめたようにキラキラと輝く川を眺め、乗り心地の良い馬車の奏でるカタンカタン、コトンコトン。というリズムに耳を澄ませていた

 しかし、お腹がいっぱいになったこともあり、うとうとし始める。ラスティークに至っては普段とは違う最低限の舗装のされた道を歩いたり、早朝からずっと起きていたことがあいまって既に瞳は閉じられ、すーすー……と静かな寝息をたてていた。一方でロゼールは馬車酔いしたのか、時折少し空いている窓から顔を覗かせたり、入ってくる空気をゆっくりと吸いながら目を閉じていた。ダリアはルーレイトの町に入る前と同じように何かを書いていたがやはり馬車酔いをして『うーん、うーん』と顔を青くしながら唸っていた

 そして、クリュッセルは正面に座り、ゆっくりと身体を休めているラスティークを眺めながら自身もこっくりこっくりと船を漕ぎ始めていた

 (う〜ん……ダメよ、クリュッセル。ここで寝たら愛しのラスティーク様の美しくも何処か幼さも感じる可愛らしい寝顔を見過ごしてしまうわ。もう見ていても見足りないもの!……あ、ダメ……もう、視界が、どんどん、狭まっ……て……)

 心の中で国宝級というアルバムにラスティークの寝顔を収めようとしていると、強い眠気がクリュッセルを襲い、そのまま眠りへとついていった


──────────────────────────


──?????の家──


 「はぁー……ラスティーク様、どうして私たちは結ばれることがないのでしょうか……?」

 「姉さん、またそのゲーム?どうして悪役令嬢を攻略しようとしてるのさ。百合向けゲームなの?」

 「いや、違う。普通にイケメン(仮)を攻略して婚約もしくは結婚までいくゲーム」

 「じゃあ何でそのラスティーク様?を攻略しようとしてるんだよ」

 「いやさ、このゲームの限定品2つあるんだけど、その限定品Bでは百合ルートの実装があるのよ」

 「ふーん……じゃあその百合ルートがラスティーク様?とのルートなわけ?」

 「いや、違う。どう足掻いてもラスティーク様攻略ルートは今のところどのバージョンにもない」

 「いや、無いのかよ!」

 「あ〜!ラスティーク様!私がヒロインならば彼女を幸せにするのに!その呪縛から解き放ってあげるのに!」


──────────────────────────


 はっ!と目が覚める。寝ていたのは2時間ほどなのか日は少し傾いていた。寝ぼけ眼を擦りながら馬車の中を見回すとロゼールとダリアはただ呆然と景色を眺め、ラスティークはクリュッセルが寝る直前と変わらず静かな寝息をたてながら寝ていた

 (さっき見ていたのは前の世界(異世界)の記憶……?悠斗も出てたけど……う〜ん、いまいち思い出せない)

 思い出せないが何処か引っかかる夢を思い出そうと悩んでいると考え疲れてしまい、馬車酔いを起こした。少しでも酔いを覚ますために窓を少し開けて外の風を肺に満たす。少し冷たくて湿度を僅かに含んでいるその空気は王都周辺では秋の空気と称されるものだったが、そんなことは今はどうでもよく、ただその自然に感動し、心がすっかりと落ち着いたことがよく分かった

 クリュッセルは考える事を一旦やめ、1つ伸びをすると窓を閉める。いつの間にか森に入っていた馬車から見える景色は深い緑が広がっていた


 それからしばらくしてラスティークが目を覚まし、ゆっくりと息を吸うとクリュッセルと同じように窓に写し出される景色を眺め、時折聴こえる小鳥の囀りや風が吹き抜けて木々の枝を揺らす音に耳を澄ませていた



 約2時間後、馬車は今日の宿泊する街、ルメットへと着いた。西の空はオレンジに染まり、東の空はもう濃紺に染まりかけていた頃のことだった

どうも、こんばんは!次回はルメットの街での出来事と移動の二日目を予定しています。楽しみにしていて下さい!


↓↓↓おなじみ作者からのコメントコーナーです。読み飛ばして構いません!

 もう1月もおわりですね。私の母が実は今日、誕生日なのでコンビニに行ってG〇DIVAのチョコを買いました(バレンタインフェアのやつ)皆さんは親御さん達に誕生日はどういうプレゼントを渡してますか?(ちなみになぜG〇DIVAにしたかと言うと母がチョコ好きだからです)

 コロナ、また増えてきましたね……読者のみなさんも感染対策をしっかりして、免疫力を上げて元気に毎日を過ごしましょう!

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