ドラゴン退治 第 拾 幕
どうやら魔法石のはめ込まれた魔道具には魔力、量、適正の3つ全て同じでも、魔道具を持った人によって輝きも効果も少しずつ異なるようだった。その為、使用者にとって最も相性の良い魔道具が出来上がるのが魔法石のはめ込まれた魔道具の利点だった
今、そんな魔道具が各生徒に完全とまでは行かなくとも八割方の力を引き出すことの出来る魔道具にまで仕上がり、訓練も理想としていた所までは実践できるようになった。それを踏まえて、予定よりは2日ほど早いが、明日には王都を出て報告のあったラパンレシの森へと向かうことになった
もちろん、いきなりの日程変更になる。その為、現在は学園と王宮、教会の退治に関連する3箇所が慌ただしく人々が駆け回っていた
「リャイナ!この服ってどうすれば良いの!?」
着慣れない服、運動するための服、防具など普通の令嬢では1つを除く他全ては人生で1度着るか着ないかの服を手にクリュッセルは叫ぶ
「あーーーーー!もう、どうすれば良いのよ!」
「お、お嬢様!落ち着いてください!こちらの服はこのように畳んで持っていくことができます!」
慌ててリャイナがそうフォローへと入ると先程までは場所を取りまくっていたはずの防具はコンパクトに畳まれていた
「…リャイナ、凄い、これって魔法…?それとも夢…?」
「お嬢様、しっかりなさってください!いくら明日からドラゴンの元へ向かうにしても緊張し過ぎでございます。一先ず深呼吸なさってください」
クリュッセルが感嘆の息を零し、現実から目を逸らそうとするとリャイナは慌ててそれを止める。そしてリャイナの言う通りにクリュッセルは深呼吸をすると気分が落ち着いてきたのか、ハッとして旅支度された鞄と自身の首から掛けられているペンダントにそっと触れる。そして微笑むと
「なんだか今日、疲れちゃったわ。今日は特にこれといった訓練は無いしもう寝ようかと思うの」
そう言うとリャイナは『分かりました』とだけ言い部屋から出ていった
それからおよそ3時間後、クリュッセルは鏡台の棚の中から髪留めを1つ取り出した。すると、その髪留めに微量の魔力を纏わせた。
──道具には魔力を纏わせることのできるものがある。魔力を纏わせた物は御守りとなり、自身と物との繋がりも持つことになる為、別れの際などに親しい人に贈られるのだ──
そして、今度は横になる前にもう一度だけと思い、2時間ほど魔力制御の練習を行うとベッドへと横になった
翌日、目を覚ますといつものようにリャイナが起こしに来ていた。もうすぐ王都を出る。そうなると1ヶ月もの間此処にいる人たちとは会えない。そう思うとなんだか寂しさを感じた
するとクリュッセルはリャイナを見つめ、鏡台の棚の中から髪留めを1つ取り出してリャイナへそっと差し出す
「ねぇ、リャイナ。いつも私のことを見守ってくれてありがとう。これ、髪留めよ。私の魔力を少しだけど纏わせたわ。いつものお礼も兼ねてだけど」
その言葉と差し出された髪留めを見てリャイナは目を見開いた
「お嬢様…!ありがとうございます。一生大切に使わせていただきます」
リャイナは一瞬だが喜びに頬を微かに紅潮させると、またいつもの顔に戻り、いつになく真剣な声色で
「……それでは、どうかご武運を」
そう告げ、クリュッセルを学園の門まで見送った。門にはもう既にロゼール以外のメンバーは揃っていた。皆、緊張に顔を固くしていたり、いつになく真剣な空気を纏っていた。少し気まずいと感じたその時、ロゼールがやってきて全員が揃った
そして、シャラナーダが声高々にこう宣言した
「今より、ドラゴン退治へと向かう!!どのような旅になるのかは未だ分からない。しかし、これから向かう先にはドラゴンが待ち受けている。全員でドラゴンを退治するか精霊界へと返し、この国を日常へと戻そうではないか!」
そして、剣を掲げた
どうも、こんばんは!今日もこんな時間帯になりました。
あとは、あけましておめでとうございます!新年1回目のこちらの更新です。
今度こそはちゃんと早い時間にあげられるように頑張ります
↓↓↓作者から
最近、正月だったんでお餅を食べさせられました。(餅文化の出身)
そしたら作者が更に餅になりました。助けて下さい。
皆さんはどんなお正月でしたか?




