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ドラゴン退治 第 陸 幕


 昼食の時間が終わるとクリュッセル、ラスティーク、ロゼールの三人は精霊研究室2へと呼び出されていた

 「一体どうしたのでしょう?」

 「う〜ん……なにか変更があったのかもしれないわね」

 「お二人共。そんな事を考えている暇があるなら、まずは私達がすべきことを見なさい。それこそが選抜メンバーに選ばれた私達の使命よ」

 三人は口々にそう言いながら精霊研究室2へとラスティークを先頭に向かっていた。研究室へと着くとパピー先生が大量の書類と本の山から顔をチラリと出した

 「やあやあ!よく来たね!少し…というか結構散らかってるけど気にしないで!まずはそこに三つ椅子があるでしょ?そこに好きに座って!」

 そう言うと三人は何故パピー先生が“精霊”研究室へいるのかと言う疑問を抱えながらも椅子へと座った。三人が椅子へ座ることを確認するとパピー先生は口を開いた

 「ねぇ、今日君たちがこの部屋に呼ばれた理由ってまだ聞いていないよね?」

 「えぇ。私達、特に理由も言われずにライル先生からこちらへ来るようにと呼ばれたので一体どうしたのかと話をしながらきましたの」

 「やっぱり。もう!ライル先生ったら!ちゃんと説明して欲しいんだけど!……コホン!実を言うとね、君たち午前の走り込みで疲れてたでしょ?そんな中で魔力制御をしようとしても身体が慣れてないから暴走することがあるんだよ。だからその様子を見てぼくから進言したんだ」

 「そうでしたのね。……けれど、ここは精霊研究室ですわよね?ベル先生は一体どちらに?」

 ラスティークがそう質問するとパピー先生は少しだけ目を泳がせると口をゆっくりと開いた

 「あ〜……それはね、ベル先生は今ちょっとベラ先生との関係で立て込んでて、その間だけなんだけど、ぼくが代わりにここで教えることになったんだけど……」

 そこまで言うとパピー先生は口を濁してしまった

 「…………あの、パピー先生、そこまで言ったなら説明をお願いしたいのですが…」

 クリュッセルが口を開き、発言を促すとパピー先生は頭を搔くと

 「…ぼくは精霊学とは少し相性が悪くてね。その事をベル先生に説明すると、魔獣について簡単な説明をしてってお願いされたんだけどさ、北の魔獣達って魔法攻撃じゃないと決定的なダメージを与えられないんだよね」

 『だから教えるならどれからにしようかなって』と言葉を繋げると三人は納得し、『なるほど。そうでしたのね』と頷いた。それからパピー先生はなにか思いついたのか本の山の中から一冊の本を抜き出すと、本に挟まっていたカードを三枚取り出し、机の上に並べた

 「先生、それは……?」

 ロゼールが首を傾げながら問いかけると、パピー先生はニコッといたずらっ子みたいな顔で笑うと

 「北の魔獣が描かれてるカードさ。ぼくとキティとで作ったものの一つなんだけど、この中から一枚引いてもらってそのカードに描かれてた魔獣について説明しようか。そうだな…………ラスティークさん、カードを引いてくれる?」

 ラスティークは三枚の中から左端のカードをとると捲った。裏側に描かれていたのは兎に羽の生えた愛らしい見た目の魔獣だった。ロゼールは思わず

 「まぁ!可愛い!」

 と言いながら、頬を仄かに緩めながら桃色に染めて『はわわわ!』という声が聞こえてくるような反応をしていた

 「あぁ!この仔はフラパンだね。主にラパンレシの森に生息している兎型の魔獣なんだけど、とても身体が大きくて確か一匹で大きさが大型犬くらいで、空の魔法を使うんだ。弱点としては背中の羽と火の魔法が弱点になるんだ」

 「へぇ、こんなに可愛い見た目なのにそんな面があるんですね」

 「そうそう!ぼくも初めて知った時はビックリしたんだ。因みに、右端のカードはサイレンバットっていう蝙蝠の魔獣で、主な生息地は緋の洞窟。魔法は水の魔法で、相手を窒息させてくるから気を付けて。弱点は目と首、日の魔法かな。光系統が苦手らしいよ。真ん中のカードがスノウタイガーで、主な生息地は雪の山。この仔自体は魔法は使えないけど、その代わりに身体がとても大きくて爪と牙も鋭いんだ。弱点は脚と尻尾、土の魔法かな。確実に仕留める方法は土魔法で罠を作ってその上から火魔法を放って、錬成して作った槍で突くのが一番だね」

 パピー先生は捲られなかったカードの魔獣まで説明すると不意に

 「さて、そろそろ体力も回復したかな?」

 と告げ、クリュッセル達が頷くと西塔の外れへと連れていき、シャラナーダ達と共に魔力制御をするように、と言い残すと研究室へと戻って行った




 ライル先生はこちらに気付くと駆け寄り、魔力制御の第一段階の説明をした

 「あぁ、パピー先生が連れてきたんだね。早速なんだけど三人とも、これから始めるのは魔力制御なんだけど、制御は自身の魔力との対話に近い。まずは深呼吸をして自身の魔力の根底にある性質を見極めながらゆっくりと空気へと放出するイメージを持つことが大切なんだ。制御をするならまずは少しずつ魔力を出すことから始めるんだ。いきなり大量の魔力を出しても、一度に出る魔力量が多すぎて制御できているか分からないからね」

 『それじゃあ、とりあえず実践よろしくね』と、言うとライル先生は全員がよく見える位置に戻ると、そのまま周りが制御する様子を眺めていた。クリュッセル達も他の人のように先生からの説明を復唱しながら制御を始めた


 クリュッセルはゆっくりと瞼を閉じると深呼吸をして、自身の胸にある暖かな空気を感じ取った

 (これが、私の魔力……こういうものだったのね。前世と変わらずに過ごすことができてたから気付かなかった。……これを周りにゆっくりと放出するのなら、熱を伝えるように、身体を覆うように魔力を放出して、それが周りへと溶けていくイメージで……)

 ふわりと魔力がクリュッセルを包むと、魔力は風の流れに流されてしまうように溶け込んで行った














 「…………つ、疲れた……」

 魔力制御は全員無事に成功し、夕食を摂ってから部屋へと戻るなり、クリュッセルはベッドへと倒れ込んだ。魔力制御は体力と精神力を知らず知らずの内に消耗するため、午前は走り込み、午後は魔獣学(これはそれ程でもない)と魔力制御という全体で見ると身体を動かすことに慣れていない令嬢からすると、身体へ負荷のかかるメニューであった

 しかし、悲しいかな剣と魔法の世界。ポーション(不味い)と治癒魔法もしくは魔草を浮かべた風呂に入る事で身体は勿論のこと、精神力も相当回復してしまう。これが数日間ぶっ続けで繰り返されるのだった

 さて、今度からは駆け足になってだいぶストーリーが進む予定です


↓↓↓ここから近況(?)読み飛ばして構いません

 最近は暖かい日(1桁)と寒い日(氷点下)の日が入り交じり、身体を冷やしそうになっている今日この頃なんですが、読者の皆さんはどうでしょうか?

 寒いのに毛布一枚で寝たり、私のように敷布団無しで毛布を下に、羽毛布団を上にして寝たりしてませんか?(←普段はしない)

 寒いので風邪やインフルエンザにかからないように暖かくして、栄養のあるものを食べてお過ごしください

 それでは、また来週!

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