ドラゴン退治 第 肆 幕
なかなか訓練になりませんね。でも大丈夫です!次こそは訓練になります。今回まででようやくサブタイ詐欺(仮)が終わりですね
フィリオスが立ち去ると部屋に残ったクリュッセルは暫しの沈黙の後にその場に頭を抱えながらしゃがみ込んだ
(えっ!?待って待って待って!!?今の何!?なんでフィリオスはラスティーク様の弱点や注意点をヒロイン(私)に教えてるの!?理解が追いつかない!!そもそもラスティーク様についてフィリオスがヒロインに色々教えるのって確かフィリオスルートじゃなかった!?ヤダ!!私は攻略対象と付き合う気も婚約する気もないのに!私はラスティーク様一筋なのに!!……あれ?そもそもこの場面ってスチルであったっけ?いや、無いよね。というかあったとしてもドラゴン退治(正確には契約)イベントの時じゃ無いことは確かだよ!なんで!?っていうか前の放課後で騒ぎの時に“借りを作るのが嫌だから”って事で助けてくれたけど、それが終わっても尚助けようとしたりするって事はルートに入ってるの!?えっ?なんで?……なんで!?)
と、グルグルと頭の中で混乱を起こしているといつの間にか日が傾き始めていた。その事に気が付くとクリュッセルは慌てて教室をあとにし、ラスティークの待つ中庭へと廊下を走って向かっていった。例えるならば、某友情と妹の結婚式のために太陽の沈む速さの10倍の速さで走った人のように全力で走っていた。幸いなことに誰にも見つかることが無かった為、咎められはしなかったが髪が乱れ、息は上がってしまった。
「あら?随分と遅い到着ね。私、てっきり忘れてしまったのかと思ってしまいましたわ。…まぁ、忘れているようならばその分痛い目を見てもらえばいいと思うのだけれど」
中庭に着いたのは空が菫色に染まりかけて、ゆっくりと日が沈んでいくところだった。ラスティークはゆっくりと振り向きながらそう声をかけると驚き、目を見開いた。そして、笑いを堪えるとこう続けた
「…前にも…態度で示したと思うけれど…私、貴女のことが嫌いですの…っ…ですが、今回は、殿下や国王様が取り決めたこと。ですから、貴女のことを、今回だけは特別に、この私が、認めて差し上げますわ。宜しくて?…………そして、クリュッセル、貴女、もう少しくらい身だしなみを整えなさい」
肩を震わせて笑いを堪えながらそう告げると、ラスティークは目をそっと逸らした
クリュッセルは少し顔を赤くして(推しに認めて貰えた嬉しさと恥ずかしい姿を見せてしまった事が原因)、身だしなみを簡単にだが整えた。そして、一歩ラスティークへと歩み寄ろうとするとバランスを崩して前へと倒れそうになった。すると、目を逸らしていたはずのラスティークが手を伸ばし、クリュッセルの身体を支えようとするが、やはり筋力が足りなく一緒に倒れ込んでしまった
「「きゃぁ!」」
2人の声が重なり、庭園のガゼボに響いた
クリュッセルが気が付くと、2人は身体が重なるようにして倒れていた
(あわわわわわ……!!!これって、もしかしなくても床ドン(仮)では?ありがとうございます。神様。私は今まで信仰心なんてこれっぽっちも無かったけれど、今からは信じます)
「ラ、ラスティーク様、申し訳ありません!!私が言えた立場ではありませんがお怪我はありませんか?」
そう言ってクリュッセルは手を差し伸べると、ラスティークはそっと手を伸ばし、手をとった
「え、ええ、大丈夫ですわ……っ!」
ラスティークは差し出された手をとったが、その手が先ほど自らがライバルと認めた相手ということに気が付くとパッと顔をほのかに赤く染めて、その手を払うと、そそくさとガゼボをでて、耳まで赤く染まり、少しばかり湿った瞳を持った顔で振り向くと声高々に
「わ、私は、貴女のことが嫌いですのよ!で、ですから先ほど貴女に手が出てしまったのは、シャラナーダ様に私がやったと思われて、嫌われるのが嫌だからですわ!ですから、私が貴女のことを助けたわけでは無いんですのよ!」
と、宣言して庭園をあとにした。残されたクリュッセルは暫しの沈黙の後に
(はー!天使かな?いや、天使だわ。っていうかいい匂いしたんだけど!?柔らかいんだけど!?女の子ってこんなに柔らかい生き物なの!?あ、私も女か。っていうか何?あのツンデレ!?ツンデレってもしかしなくても姉弟で?可愛い。いや、可愛いのはラスティーク様だけだが)
と、頭の中で幸せな余韻に浸りながら鼻血を垂らしてだらしない笑みでガゼボで暫く過ごしていた
さて、今日も今日とて気ままに書こうとしていたらいつの間にか締切ギリギリに……
友達に「どうしよう」と聞いたら「某すぐに灰になる吸血鬼の編集者さんがやっていたようにアイアンメイデンに入ればすぐにできるさ☆」と言われました。我、致命傷になっちゃう……




