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07 始まる歯車の音

準備を終え、近付く処刑時間(パーティー)の足音に私は完全に震え上がっていた。


「どうしよう……始まっちゃうよパーティー…」


家族の知り合いや国の要人、エレメンツの三家達が集まる予定のこのパーティーは王家のお茶会の時とは比べ物にならないくらい怖い。

ましてやそのパーティーの主役ともあれば一度は皆、挨拶する為に私の元を訪れる。

それもラチア様と知り合ってしまった影響と言っては不敬だがコランダム王家もパーティーに招かれており、規模としてはあのお茶会とさして変わらないくらいだ。

エレメンツに属すライト家の令嬢とはいえあまりに盛大すぎないだろうか…。


「お嬢様、腹を括って下さい。ハウも付いておりますので」


「励ましたいのかトドメを刺したいのか分からないわよ……」


「両方でございます」


「酷くないそれ!?」


「その調子で頑張って下さいませお嬢様」


「何よ…その笑顔……もう……」


安心したような優しい笑顔をハウに向けられて私は毒気を抜かれ、浮かんでいた文句を飲み込んだ。


「ふふふっ、ハウちゃんってば素直じゃないわね〜誰かさんとお揃いかしら?」


「そのお話はやめましょう、ユーディア様。もう終わった事です」


熱い姉妹の抱擁(しめあげ)をメイドによって私から引き剥がされたユーディア姉様は(ようや)く落ち着きを取り戻し、静かに紅茶を啜っていた。

姉様は比喩するように誰かさんと言ったが素直じゃないなんてこの家には兄様一人しかいない。

ハウが兄様に似ているかと言われるとそういう訳でもなく、どちらかと言えばハウは天邪鬼(あまのじゃく)で二人だけでは話がややこしくなる気がする。

しかしまあこの過剰反応ぶりはハウの言う“まだその時ではない事”の秘密の一つなのだろう。


「むぅ、冷たいわ………ああ、そうそう。ラブラちゃん」


「なぁに?姉様」


「晴れ舞台楽しむのは大切だけれど……気を付けてね?」


「それはどういう……?」


「ほら!浮かれてダンスとかで相手の足踏んだら恥ずかしいもの」


「浮かれてる事はまず無いと思うけど足踏まないように頑張らないとね…」


ユーディア姉様の纏っていた雰囲気がほんの少しだけいつもの姉様じゃなかったのが引っかかり、言葉の裏でもう少し別の事を言っていたような気がしていたが足を踏む踏まないの話はありえそうで怖い。

とりわけダンスが苦手という訳でもないのだがこのままの調子で緊張していたら何をしでかすか予想もつかない。

その踏む相手によっては一大事である。

ラチア様やヘリオには事前に踊って欲しいと言われたのもあり、失敗という名の失態は絶対にできない。


「さて、そろそろ私も準備しに戻らなくちゃね!また怒られちゃう。それじゃあ、また後でねラブラちゃん」


「メイドさん達困らせないであげてね」


「うふふ、善処はしまーす!」


「もう……」


綺麗な顔に悪戯な笑顔を浮かべヒラヒラと手を振りながらユーディア姉様は戻っていった。

ユーディア姉様は黙っていれば美しい。

社交界でも才色兼備で非の打ち所のない美貌の持ち主などと言われている姉様だが、身内には(すこぶ)る甘々、というかデレデレのスキンシップ過多の令嬢としてははしたない行動も平気でとる変わり者である。

それは時に励ましや慰めには効果的かもしれないが通常で最早攻撃じみたその勢いに長年一緒にいる私や兄様でさえダメージを受ける。

何故彼女が身内にだけこうなのかと言うと水の魔力の名門であるライト家の中で唯一、魔力を持たない人だった。

いくら才色兼備といえど魔力無し、魔法学院に通うことも無く陰で笑う者も少なくはなかった。

後に姉様の陰口を言っていた者達はぺクト兄様によって制裁(おしかり)を受けていたが。

その制裁の甲斐あってか、社交界での姉様への陰口はほとんど無くなった。

けれど姉様は他人に対して魔力が無くともライト家の令嬢たれと取り繕い、演技をするようになった。

しかし身内には外に出さない分の愛情を惜しみなく出して愛情表現をするのだがそれがとても激しいのである。

魔力無しの為に結婚する魔力属性が決められている家にも縛りなく婚約出来るため社交界ではその美貌と有用性から完璧令嬢だなんて言われて同性からは社交界の華などと羨望され、異性は婚約を希望する者も後を絶たないのだとか。

しかし姉様はそのどちらも当たり障り無く交わし続けている。

このまま誰とも婚約しなかったら行き遅れてしまうのではと私は心配だったりもする。

心配する前に自分だって婚約はまだだから人の事は言える立場ではないのだけれども。

ライト家はエレメンツの一家、強い水の魔力だけを受け継がせるために水の魔力を持つ者と優先的に結婚する習わしがある。

勿論、それはライト家だけにかかわらず他のエレメンツや王家なども例に漏れず血縁婚や同じ魔力属性の家と婚約をする傾向がある。

当主は分家から同じ魔力を持つ者を娶り、それ以外の兄妹はそれにならい同じ魔力の者と結婚し、分家に別れていき更にその子供は次世代の当主の婚約者へと循環していく。

一族の中には強い水の魔力を持ちながらまるで駆け落ちするかのように王家に嫁いでいった人もいたらしいけれどそんなライト一族も度重なる合併に分家が減っていきとある事件を機に最後の分家は没落してしまったのだとか。

その為に私かユーディア姉様は他の家から水の使い手を婿に取り、次なる分家を作っていかなくてはいけないのだ。

両親はそんな話を一切しないが本来ならば自由に相手を選べない状況に立たされている。

本家筋の父方の祖父母も早くに亡くなっていて母方の祖父母は分家筋だったが分家の没落を機に何故か手放し状態になり、おかげで親族からもとやかく言われない。

しかし周りの目はそうはいかないものでユーディア姉様にも持ちかけられる縁談の多くは水の使い手だ。

貴族の、ましてやそれなりの地位にある家の子女として生まれればやはり自然とそういう風に事は流れていくものなのだろう。

貴族の女に恋愛の自由などあまりあるものでは無い、むしろ自由な家ほど魔力を失いやすいのだ。

それでも高い地位に嫁ぐには多少の自由と魔力が必要というのだから皮肉なものだ。


「お嬢様、間もなくパーティーが始まりますので会場へ参りましょう」


「え、もうそんな時間なのね」


物思いに耽っていたらいつの間にか時間が経っていたのかハウが声を掛けてきた。

差し出された手に大人しく従い、立ち上がると最終チェックと言わんばかりに身なりを手早く整えられる。

ユーディア姉様の激しいスキンシップの後にしては比較的被害が少ないのは意外だ。


「お嬢様、例の件もありますので万全な警戒態勢を敷いていますがもし不審な輩が居りましたら必ずお呼びください。」


「う、うん……ずっとは付いていられないもんね…」


そうだ。ハウも使用人という立場上、会場に居ることはあっても緊急時でもない限り私にずっと付いていることは出来ないのだ。

私が不安な時ほど彼女が傍に居られないのは嫌という程わかっている。

そんな私の不安に呼応するように二人分の足音が会場へ向かう廊下へやけに大きく響いていた。


「大丈夫です、お嬢様。呼んでくださればどんな状況でも必ず、必ずや駆け付けます」


歩きながらではあるものの彼女は安心させるように穏やかな声で念を押す。

パーティー会場は騒がしいのにそれでも駆けつけてくれる事はまず難しいだろう。

けれどハウがそう言うのならそんな気がしてくるから不思議な感じがする。


「…うん、ハウがいるならきっと大丈夫ね」


パーティーはもう始まっているのか優雅な音楽が会場に入る前からもう聞こえてきている。

パーティーへの不安はもうない。

怖いことがあるとするならそれはきっと薄らと見え隠れする警戒と忠告にも聞こえる言葉達が現実になることだ。

不安が取り払われて妙に冴え渡る思考の、その予感だけは当たりそうな気がしている。


「ここからは今日という日をお楽しみ下さいませ、私は出来るだけお傍で控えております」


会場の扉を開けたハウは私を気遣わせないためか心配した眼差しをするのをやめ、純粋に誕生日を楽しむように言った。

そんな彼女をなるべく安心させたくて笑顔で返す。


「ええ、ありがとう。いってきます!」


「いってらっしゃいませ、お嬢様」




────とそんな会場入りまでは良かったんです…問題はその後。


予想通りの規模のパーティーは初っ端から絶賛私の心を物の見事にハートブレイクさせようとしています。

それはもう物凄い対人接客の嵐というかもう今すぐ帰ってお布団にダイブして寝込みたいレベル本気(マジ)で……現場からは以上です。

なんて表向きはきちんと侯爵令嬢を演じながら内心ふざけてみるがもうそんな余裕も余りないくらいには心労が結構来ております。

ふふふ……こんな事ならもっとお茶会頑張っておくんだったわ…。


「ラブラ様?気分が優れないご様子ですが大丈夫ですか…?」


「平気ですわ、お気になさらず」


どこか聞き覚えのある声が背後から聞えたような気がするがもう今日はみんな聞き覚えがある気がするよ凄いね!

大丈夫じゃなさそうに見えるなら大丈夫じゃないよほんとそういうの返答に困ります。

しかし声を掛けられたのだからきちんと大丈夫じゃなくても平気と返すのが大人というものだ。

我ながらなんというブラック企業魂と言わんばかりの精神だがあれ?そういうものだよね?

その言葉と共に振り返るとそこにはつい最近見たばかりの赤髪王子(ラチア)様の姿がそこにはあった。

道理で聞き覚えがある訳ですね、つい最近の記憶ではありませんか〜


「って、ラチア様!」


「本日はお招き頂きありがとうございます。そして、お誕生日おめでとうございますラブラ様」


「あ、ありがとうございます…」


恭しくも優雅に挨拶をする第一王子に気圧されながらお礼の一言しか言えない私の余裕の無さが悔しい。

するとラチア様を皮切りにその後ろからコランダム王家の皆様がいらっしゃいましたよ。

お茶会でお会いした王妃様のエメリー様に顔しか知らない国王陛下のアルミナ様、第二、第三王子のラトナ様とサファ様、そして見覚えの無い恐らく双子王子よりは歳下であろう紫髪の少年から青年になる間くらいの子が立っていた。

揃いも揃って相手にするには恐れ多すぎる大物達で今にも逃げたい気持ちで一杯です…。


「先日はお茶会での挨拶をありがとう、ラブラ嬢。お誕生日おめでとうございます、今年から社交界入りですね」


品の良い笑顔を湛えたエメリー様はラチア様の横に並ぶように前に出るとドレスの裾を軽く持ち上げてラチア様と同じ様な優雅さを纏いながら挨拶した。

曲がりなりにもライト家令嬢で今日の主役な私は失礼のないように挨拶し返すべくふわりと笑って見せた。


「先日はありがとうございました、そして本日はお越しくださりありがとうございますエメリー様、国王陛下。王宮ほどのおもてなしは出来ませんがどうぞお楽しみ下さい」


「ええ、ありがとうございます。そうだわ、ラブラ様」


「はい、なんでしょう?」


面白いことを思いついたと手を合わせて楽しそうに声を弾ませながらエメリー様はアルミナ様以外の四人の後ろへ回ると一歩前へ出させるように押した。


「うちの息子達とダンスを踊ってくださらない?」


「………………へ……?」


あまりにも予想もしていなかった言葉に私は絶句せざるを得なかった。

ラチア様は事前に言われていたのでまあ覚悟はしていたものの残り三人?とは殆ど話したこともなく、双方困るだけなのではと頭を抱える。


「ちょ、ちょっと待ってくれ母上」


「待ちませんよ、どうせ貴方達二人はいつも誰とも踊らないのだからこの際踊って頂きなさい」


「でも…何も先日会ったばかりの、それもラチア兄さんと懇意にしているご令嬢じゃなくてもいいのでは……」


「だからこそですよサファ、多少の粗相もラブラ嬢なら許してくださりましょう」


そんな話題にされている私を置き去りに双子王子はエメリー様の突拍子もない提案に抗議している。

双方一歩も引くことなくあーでもないこーでもないと言い合っているところをクスリと笑った声が止めた。


「いいんじゃないですか?僕は是非とも踊って頂きたいです。ラチア兄様もお二人の同級生になるラブラ様と仲良くして頂きたいんでしょう?」


「そうだね、ラトナもサファも距離を置かれやすいし仲のいい人が一人はいて欲しいな」


紫髪の少年は皆の仲を平和的な解決になるようにラチア様を巻き込みながら助言する。

しかし双子王子は他人に警戒する傾向がある為に容易には頷こうとはしない。


「ああそうそう、申し遅れました。僕はバイオレット・コランダム、コランダム王家第四王子です。歳はラブラ様の一つ下で、この前お会いしなかったのは留学中の身のためこの国に居なかったのです。帰省のタイミングでラブラ様の生誕パーティーがあって良かった!」


ラチア様に負けず劣らず綺麗で可愛い顔に嬉しそうな表情を浮かべ、スラスラとよくそこまで出てくると思うほどの自己紹介をしてくれた。

しかし……長男に似たのか距離感がとても近い。


「バイオレット…少し落ち着きなさい。ラブラ嬢が困っている」


見かねた国王陛下がバイオレット様を止めてくれたおかげで近かったお互いの距離が漸く適切なものに変わった。


「ああ…すみません、ラブラ様。ラチア兄様と親しい方と聞いてお会いできたことが嬉しくてつい……」


「い、いえ…大丈夫ですわ」


「うふふっ、それじゃあ決まりね!愚息たちをよろしくお願いしますわラブラ様」


「こちらこそよろしくお願い致します…」


エメリー様は嬉しそうな顔で手をパチンと叩くと主に双子王子達の背中を押した。

気圧されているのもあるが私の意見は完全に聞く気は無いらしい。


「ではまたダンスの時にお会いしましょう」


「はい!ご挨拶ありがとうございました」


優美な笑顔で会釈をしてコランダム王家御一行は立ち去っていった。

それにしても第四王子の存在なんてゲームにはなかったはずなのだけど単に設定として出てこなかっただけだったのか…?

留学中だと言っていたし国に居ないから居ない扱いだったのだろうか。


「うーん、わからないなぁ」


「ラブラ様」


前世のゲームの記憶を探りながらうんうんと唸る私を控えめだが柔らかな声が呼び止めた。

この声には聞き覚えが……というか控えめな人は一人しか思いつかない。


「ジェード様!…と」


「本日はお招き頂きありがとうございます。こちらは弟の…」


「ネフラ・アンフィと申します!本格的な社交界入りはまだですが折角体調が安定したので恐れながら参加させて頂いております」


「ラブラ・ドル・ライトと申します。本日はそのような良き日にお越しくださりありがとうございます」


まさかの病弱なネフラくんがパーティーに来るとは夢にも思わなかった。

ゲームの彼の通り儚い雰囲気を纏いつつも快活なしっかり者のようだ。


「先日はこれ、ありがとうございます」


「あ…!身に付けてくださっていたんですね!」


ブローチに触れながら照れたように笑うジェード様は優しげで、男性なのに可愛く見えてくる。

わざわざあの時半ば押し付けるように渡したブローチを付けてパーティーに来てくれていたようだ。

やばい、ちょっと嬉しすぎる。


「あの兄さんが照れながら大切そうに持ってるのを見たらどんな方なのかお会いしてみたくって」


「ネ、ネフラ……!?」


ネフラくんの思わぬ発言に動揺を隠し切れないジェード様はみるみる顔が赤くなっていく。

本当にこの方があの演技とはいえ余裕そうな雰囲気を纏う色男になるのだろうか。


「ラブラ様、これからも兄と仲良くして頂けないでしょうか?兄さんはイメージばかり一人歩きしてしまって誤解されやすくて……」


「ちょ、ちょっとネフラ!」


まるで保護者のようなネフラくんにタジタジの兄の彼の姿からはイメージが一人歩きなんて感じはしないのだがやはりゲーム設定の節は既にあるのだろう。


「もちろんこちらこそよろしくお願いします!ジェード様」


「っ…!!はい…!」


「ふふ、兄さんってば」


怖がらせないように極力優しい笑顔を浮かべながら握手の手を差し出すとジェード様は裏返りそうな声で返事をしながら握手してくれた。

これでシナリオ通りジェードと友人となる訳か、グッジョブ私。

当主である父や他の家族にも挨拶をするため二人は話もそこそこに両親達を探しに行った。


「誕生日おめでとう、ラブラ」


「ひょわ!?」


「ははっ!なにその声〜」


「っ〜〜〜!耳元で言うからよ!」


文字通り耳元で囁かれた私は驚きとむず痒さに肩を大きく揺らしてオマケに間抜けな声を出してしまった。

よくも……と犯人であるヘリオを軽く睨むと、おお怖い怖いと降参の合図をするがその顔は全く反省するどころかイタズラ成功と言っている。


「凄い賑わいだね、流石エレメンツのご令嬢」


「それ褒めてないわよ…入れ代わり立ち代わり挨拶祭りでもうクタクタ……」


「パーティーはまだまだこれからだよ〜?ボクとのダンスも忘れないでね〜?」


「分かっていますとも……」


当初の二人だけならばまだ気持ちは軽かったもののそこに追加でコランダム王家の兄弟あと三人が追加になれば流石の私もげっそりものだ。

適当に抜け出せないと思うと結構心労が大きい。


「なんなら王家なんて放っておいてボクとずっと踊ってる?」


「……へ?…なんでヘリオがそれを知ってるの…?こわ……」


いくらドール家の情報網が早くたっていくらなんでもここはパーティー会場なのであってついさっきの出来事がもう彼の耳に入っている事が引くレベルで怖い。


「ちょっと…引かないでよ……君に挨拶しようとしたら代わる代わる人が来るから中々行けなかっただけだよ。ダンスの話はその時に聞こえたの」


変な誤解するのはやめてよねとヘリオにジト目で睨まれてしまった。

悪いとは思うけども誤解を生むようなことを言うからじゃないの…?え、理不尽。


「多分君の使用人からも言われてると思うけどあんまり気を抜かないでね、今日は不特定多数の人間が集まっているし危険だよ」


「……うん」


冗談を言っていた雰囲気は何処へやら、突然真面目な顔でハウと同じ事を言う。

何故、私が確実に狙われるとわかるのかは分からないが仮にも主役の私が居なければ誰かは気付いてくれるとは思う。


───きっと大丈夫だろう。


両サイドで気を張り続けているのはさほど器用ではない私には無理な話で、どちらかはもう他力本願で行くしかないのだ。

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