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神聖の転生者  作者: 薄明
第3躍 ~中学生時代~
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第12話 事件の終わりと授業の始まり

目を開けると見慣れすぎた天井だった。


あの真っ白い部屋から帰還した後、3回ものループがあった。だから、今日こそはもう戻っているはずだ。そう思い、下に降りようとすると、身動きができなかった。


「あ、やっと起きた!まさくん、やばいよ、遅刻だよ!早く着替えて!」

「いや、海里がいるからどうにもできないんだが。」


「あ、ごめんね。あれ?どうしたの?まさくん。」

「何が?」

「泣いてるよ。私なにか悪いことでも言っちゃった?」


「あ、ほんとだ。いや、海里は何も悪くないよ。」

「よかった。」







教室に着くと、本当に見慣れた光景だった。何度も何度も通り過ぎたこの瞬間、そしてトラウマになり続けた瞬間でも、あった。


「なあ、神村、お前、何者だ?」

「え?」

「お前、カード回したっていったよな?」


「カード?なんの話だ?」

「お前が友達認定したやつにだけカードを送ったって。」

「そんなカード、記憶にないぞ。」


どういうことだ?まさか・・。


神村との会話で疑問が生まれた。


ループすることで世界が変わったのか?それとも、そのカードをした時の世界が用意された疑似のものだったのか?まあ、この話は今度あのジジイに聞いてみるしかないか。


まったく、入学早々こんな目に合わせられるなんてついてないな。


「で、カードってなんだ?」

「いや、なんでもない。気にしないでくれ。」


「わかった。それより、1時間目は歴史だぞ。用意はしたのか?」

「あっ、やべぇ!」

「お前に言ったんじゃねぇんだよ。」

カミの隣のやつがドタバタしていた。


「ああ。俺はもう完璧だ、というよりかは歴史なんて頭のなかにほぼ全て入っている。」

「またまた〜。」


「じゃあ問題だ。1600年に関が原の戦いが行われたが、その時徳川家康は誰を攻めに行く途中であったか。」

「・・・。」

「上杉景勝な。これ歴史の本読んだら書いてあるぞ。」

「・・・。」



前世で歴史のエキスパートと呼ばれた俺に楯突こうなど50年早いっつーの。



ちなみに、正弘が得意なのは平安時代ぐらいからで、旧石器とか弥生とかは少し苦手だった。そこはやはり男の子である。


チャイムが鳴ると、歴史の先生がやってきた。


「私は木村と言います。これからよろしくお願いします。」

木村先生は少し発音がおかしかったから多分地方の出なのだろう。


少し自己紹介をした後、プリントを配りながら説明を始めた。


「それでは早速授業に入ろうと思ったんですが、最初は皆さんの好きな時代を今から配るプリントに書いてください。一つだけですよ。アンケートをしてみたいもんなので。」

プリントが回ってきたので用紙に戦国時代と書いておいた。




木村先生は返ってきたプリントを尋常じゃない速さで記録していった。時間は10分もかからなかった。


「全体を見てみると、戦国時代が多いですね。特に男子がその時代を選んでます。中には昭和時代とかそれこそ平成時代と書いているものもいますが・・・。


反対に女子は争いが少ない時代を選んでいますね。


まあ、こうやって統計を取りましたが、今からやっていく授業は旧石器時代です。

自分が好きな時代だけじゃなくて他の時代も好きになれるように教えていきますから、よろしくお願いします。」

と、ここまで言ったところでチャイムが鳴った。


さすがに記録時間で時間を稼がれてしまった。


「今日は残念ながら、授業はできませんでしたが、次の授業からはちゃんと教えていきますよ。」


木村先生は終始優しそうな先生でこれからの授業が楽しみだった。


今回の”再帰”は次の閑話で詳しく書きます。それまではこの話は一旦終わりです。

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