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神聖の転生者  作者: 薄明
第3躍 ~中学生時代~
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第11話 ”再帰”

お久しぶりです。閑話はもう少し時間がかかります。

死ぬ場面が多いです。(これ、前話で言っといたほうがよかったかな。)

やっぱりか。俺は今日という日をループしている!


これは何が原因なんだ?前触れか?そもそも何回続くんだ?


どうせ、今日も同じような、いや前よりひどいことをされるんじゃねぇのか?


今ここで考えていても仕方がない。とりあえず、海里と一緒に家を出よう。

「海里、今日は俺もいっしょに行く。」

「わかったわ。じゃあ、早くして。」





家を出ると、海里が急かしてきた。

「まさくん、早く行こう、学校に。」

「わかったわかった。」


そう返事したところで一台の車が俺の目の前を通過した。


目の前を、だ。通り過ぎた後、海里の方を見ると海里は肉塊と成り果てていた。

「海里〜〜〜〜!海里〜〜〜〜〜〜!」

そこで俺は意識がなくなった。







そこからは省略するが、家族の死または俺自身の死の連続だった。時間と場所と方法が違っていただけで他はだいたい変わらなかった。もう俺の精神はズタボロで壊れていた。


次のループで100回目ぐらいだなと思い、意識を手放したとき、次にいたのはあの真っ白い部屋だった。


「すまん!陸。異世界の魔王で儂が預かっていた”再帰”がお主の世界に入り込んでしまってお主に取り憑いてしまったようじゃ。本当にすまん!」

「・・・そうか。」


「とりあえず、原因を言うと、お主が入学式の次の日に帰り道で拾ったあのカードじゃ。あれに”再帰”が封印されていてそれをお前が自分のものにしたから人に影響を受けて封印されていた”再帰”の力が少しだけ漏れたんじゃ。」

「あのカードか・・・!」


「そこで儂があのカードを引き寄せて取り戻すため今から言う作戦に協力してほしいんじゃ。」

「わかった。してその作戦とは?」


「お前がかばんの底に入れていたあのカードを取り戻すには、教科書類はすべてどけてカバンとカードを枕の横に置く。それを次のループでやるんじゃ。そうすると儂がすぐにこの部屋にもう一回呼んでカバンとカードを受け取る。これで一件落着だ。

まあ、やってみたほうが早い。準備はいいか?」


「あ・・・ああ。多分わかった。」

「じゃあ、次のループで目標を果たせ。幸運を祈る。」




目を開けるとそこは何回も見た天井だった。目を開けた瞬間、俺はカバンとカードのみを枕の横において、下へ降りた。すると、海里の顔が血で汚れていた。

「海里!どうしたんだ?」

「マサクン・・・?」


「父さんと母さんは?」

「ナニヲイッテルノ。モウコロシタヨ!アトハアナタダケダヨ。サヨナラ」


そう言って、海里は手に持っていた拳銃を発砲した。

今までで最短だったな、そう思いながら俺は意識を手放した。








目を開けると俺は再び真っ白い部屋に来ていた。


「この”再帰”っていうモンスターは地球ともタグリアとも違う世界の魔王だった。その魔王を勇者が封印したその器がこのカードなんじゃ。このカードは友神から渡されてきたんじゃ。お前が作ったんなら、お前が元の状態に治せ、と。じゃが、うっかり地球の上で落としてしまった。これを見つけるために結構時間がかかったがこれを持っていたのがお主で本当によかった。」


「どういうことだ?アレのせいで俺の精神(こころ)はボロボロだ。」


「いやな、普通の人はこのカードを拾ってから1回目のループで心根が壊れ、二度と転生もせず、新しい体にもなれない邪魔なだけのものになってしまうところだったんじゃ。」


「普通の人?俺は普通じゃないのか?」

「ここでの普通は転生者、転移者かそうでないかだ。」


「ああ、そういうことか。」

「そろそろ時間になるが、このカードを取り除いたからすぐにループが消えるということはないぞ。2、3回はまだある。逆に言うと2、3回しかない。それまで頑張れ。」


「ああ、わかった。」

「では、新しい日々に幸あらんことを。」


早々に幸がなかったけどな。


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