第8話 狂いの始まり
久しぶりです。最近忙しくて全然書けてませんでした。言い訳ですね。
本編をいったん止めて先に閑話を書こうかなと思ってるんですがねえ。
家に帰って飯を済ませた後、風呂に入っているとドア越しから海里が話しかけてきた。
「あんたの友達って本当にろくなやついないのね。」
「あれは友達じゃない。向こうから押しかけてきただけだ。気にするな。それとお前のあだ名もお見事だぞ。」
「変態ってやつ?」
「うん。」
「事実を言っただけよ。」
「やれやれ。これからどんなやつが俺を取り巻くんだか。」
「私は傍観者に成り下がるわ。」
「やめてくれ。というかあいつ自分の呼び名をカミにするとか馬鹿かよ。」
「へクシィ!」
「誰か噂してるのか。」
その頃くしゃみしている男が1人。
「えー。というわけで今日から授業が始まるわけだがテストはプリントから多く出題するのでなくさないように。じゃあプリント配るぞ。」
一時間目に歴史を回したやつ誰だ・・。
歴史の教師の喋り方に眠気を覚え、必死で降りてこようとするまぶたと格闘していた。周りを見渡すと、机に突っ伏して睡魔に負けた人が半分、睡魔に勝った人が半分と言ったところだった。そうしているうちに一時間目が終わった。
「まさくん大丈夫?なんか眠そうだよ?」
「ああ、昨日少し寝不足でな。」
「昨日早く寝たじゃん。」
「あのあとパソコンとにらめっこしてて。」
「だめだねえ。まさくんは。私なんか緊張で寝る暇もないよ。」
人生二回目だからだいたいのことは知ってるんだよ。お嬢さん。特に歴史なんて前世で覚えすぎて気持ち悪いって言われてたし。
眠気覚ましに廊下に出ると外は寒かった。改めて春だと言うことを実感しつつ、歴史の授業で眠かったのは暖房のせいだとひとりで責任転嫁していると背中を叩くものがいた。振り返るとやつがいた。
「よう相棒。」
「あいにくだが俺の相棒は石井だ。」
「ならそれに加えてくれ。」
「断る。」
「なぜだ。心の友よ。」
あくまでも友人を語る神村に向かい合うと一気に思いを吐露した。
「世間一般の常識としてお互いが認めた場合にのみ心の友と言える。お前の場合はただの押し付けだ。友でもなんでもない。今後俺にその呼び方をするな。」
そう言い捨てると神村の隣を通り過ぎようとしたとき、首元に衝撃が加わった。
前につんのめった正広は振り返ると神村を疑った。そしてみぞおちに向かって飛んできた拳をすんでのところでかわすと叫んだ。
「どういうつもりだ!神村!」
「ふざけるな!俺様がせっかく友達認定してやってるのにその態度はなんだ!」
そこで俺は悟った。彼が自分のあだ名をカミにしていた理由を。
「はあ。面倒くさいやつに絡まれた。」
「昨日お前が拾ったカードは俺が友達認定したやつにしか回していない。拾ったときからお前は俺に歯向かうことはできない!」
そして廊下で大笑いした彼は取り巻きに手を出すなと言った後、正弘に突っ込んできた。
「ったく。」
数秒後、廊下には倒れた神村と素知らぬ顔で状況を教師に説明している正弘の姿があった。
「まさくんすごいね。あれどうやったの?」
「合気道の最初のやつだ。やろうと思えば誰でもできる。はず。」
「いつやってたの?」
「昔な。」
そう。まだ平野陸のときにな。
結局正当防衛として認められ、正広は軽い注意で終わった。
ストーリーが動き出しました。
やっぱ、同時進行かなあ。