第5話 腕時計
大分時間が経ってしまいました。すいません。
教室の扉を開けると、知っている生徒もいれば、全く知らない生徒もいた。アタリマエのことだ。小学校が別々だったんだから。
そして男の先生が来た。
「これからこのクラスとこの学年の数学を担当する森だ。これから1年間、よろしく。」
お父さんじゃなかったな。
「自己紹介は明日のHRでするから、今日は私の紹介と手紙配布だけだったので手紙を配布したら、帰っていいぞ。あと、学年団というのがあるんだが、私は学年主任というのに就いている。では、3つの手紙をもらった人は帰っていい。」
と長い紹介文のようなものを言い終えた森は手紙を3つ配り、教室を去っていった。
「まさ、帰ろう。」
「ああ。」
こうして中学の入学式が終わりを迎えた。
家に帰ると、「自分の部屋に行って着替えてきて。あ、マサはここにいといて。」と母さんが言ってきた。
「どうしたのかな?」
「先行っといて。」
「はーい。」
海里が自分の部屋を開けてドアを閉める音がした少し後、母さんが口を開いた。
「陸、この腕時計、あなたのでしょ。整理してたら出てきたのよ。」
「これ?・・・・ああ〜。懐かしい。昔、よく持ってたね。」
「大事そうにしてたから、返すわ。」
「ありがとう。」
「昼ごはん作ったから、着替えたら、降りてきて一緒に食べよう。
海里ちゃーん、着替えたら降りてきて!ご飯食べよう!」
「はーい。」
ドアの向こうからくぐもった声が聞こえてきた。
「じゃ、着替えてくるわ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その夜、俺は見知らぬ場所に来ていた。
どうやら、俺は眠っている途中に、産神がいた真っ白な部屋ではなく、白黒の部屋に呼ばれたらしい。
「ここはどこだ?」
とつぶやくと、何かが書かれた紙が上の方から落ちてきた。
「なんだこれは?所々欠けてて読みにくいなあ。」
えーっと、久しぶり。・・てると思うが、お前は・・・・れる・・だ。だが、それ・・・・は、俺・・・・い。・・腕時計・、・具で、・・事態になると、光る。では、また会おう。
「内容が全然わからん!!」
何回も読み返して少し文章を自分なりに考えた結果、意味がほんのりと分かった。
「とりあえず、この腕時計がそれなりに大切なもので何かあったときに光るということは予測できたぞ。
送り主は誰だろうか。」
と考えはじめて少し時間が経つと、俺は自分の部屋にいた。
~~~~~~~~~~~~~~~~
窓の方を見ると、カーテンが外の光でほんのり明るくなっている。時計を見ると、短針が7を指していた。
「ちょうどいい時間に起きられたな。でも、あれはなんだったんだ?俺に何かあったのか?」
しかも誰に呼ばれたのか?
疑問は全然尽きないが、今考えても仕方ないし、朝飯を食って学校に行くとするか。
数日前、短編を2話投稿しました。
「現代版 筒井筒」と「現代版 あづさ弓」です。ぜひ読んでみてください。