第1話 再婚
閑話はまだまだ時間がかかりそうです。
「何してるの?」
後ろから海里の声が聞こえた。慌ててファイルを閉じたものの、海里は少し見ていたらしく、
「何聞いてたの?」
と覗き込んだ。
「母さんに聞いてみてくれ。」
苦し紛れにそう言うと海里は部屋を出ていった。
数秒後、海里は戻ってきてこう言った。
「あとで教えるって言われた。」
「じゃあ、後でな。」
「海里ー、正弘くん。こっちへ来てくれ。」
「どうしたの?」
と言いながら下へ降りていくと祖母が自己紹介をしよう!とか言っていた。
「改めて、海里の父親で圭織さんと婚約しました、石井 卓人です。正弘くんのお父さんにもなるのでよろしくお願いします。」
「ねえねえ、正弘くん。正弘くんの名字って石井になるの?」
「さあね。多分なるんじゃない?」
(これで3度目かよ。全く今回の人生は面倒くせえ。)
「えっと、石井海里です。よろしくお願いします。」
「坂田 正弘です。海里ちゃんとは仲良くさせていただきました。よろしくお願いします。」
「坂田 圭織です。よろしくお願いします。」
次の日から元クラスメートとの生活が始まった。違和感しかない。
「これから、中学も高校も同じだね!」
「あ、ああ。」
「そんな他人行儀じゃなくてもうちょっと馴れ馴れしく来てよ。なんなら、部屋に来て襲ってくれてもいいよ。」
「わかった。じゃあ、これからは普通にしゃべ・・・・いや、襲わねぇし!」
「むす」
「なんでそんなに不機嫌そうなんだ?あ、そうそう、海里の部屋は俺の部屋の向かいな。」
「はいはい。わかったわよ。」
「海里、俺は何「おーい、海里、正弘!リビングに降りてこーい!」」
「もういいよ。それと、その「なるべく早くしてねー。あ、正弘!アレとってきて!」」
「?」
「いちいち俺のセリフをさえぎるんじゃねぇ!ってか、アレってなんだよ?」
「何を言おうとしたの?」
「だから、そのお兄「まだかー?アレっていうのはな、・・・・なんだ?」分からねぇんだったら言うな!」
ってか俺のセリフ言えなくしてるよね。
わざとだよね。俺ばっか狙ってるよね。はあ、もういいや。
「海里、行くぞ。リビングに。」
お、今度はスムーズに言えた。
ってか、俺らの話、聞いてただろ!絶妙なタイミングだったぞ、あれ。
新連載、「”神になる”を選んだらノルマを課されました。」を私、隆之の名で投稿します。リレー小説ではなく、不定期投稿ですが、ぜひよろしくお願いします。