プロローグ
閑話を挟もうと思っていたんですが、まだ書き終えられなかったので、先に第3章を投稿することにしました。
少ししてから閑話をを割り込ませようと思っています。
今日は実家に帰る日だ。
再婚相手の子供って誰だろう?弟かな?兄かな?妹かな?姉かな?
表情に出してはいないが、内心はドキドキだった。
俺の部屋にあるあのファイルはどうなってるのだろう?それもまた気になる。
「マサ、行くわよ。」
「はーい。」
俺達は車に乗り込んだ。ここから実家まで約30分だ。
少し解説を挟もう。正弘の母親は少し前に婚約した。ただ相手は知らされてない。再婚相手はすでに実家に行っているらしい。また、今までお世話になった新井は他の学校の教師と結婚するらしい。
「着いたわよ。」
揺り起こされて気づくとそこには見慣れた家があった。
「古臭いところ変わんないな。」
「まあ、私が小さいときから住んでたからね。」
車を降り、話していた二人に気づいたのか祖母が出てきた。
「あら、まさちゃん、久しぶりだねえ。」
80超えてもなお腰の曲がらない祖母(陸の母親)はスタスタと歩いてきた。
その後ろから出てきた1人の男性と少女。彼はその少女を見た途端に我が目を疑った。
「海里?」
「え?正弘くん?!」
正弘の母親、圭織の再婚相手は海里の父親だった。
「母さん、だから黙ってたのか。」
「ええ、そうよ。なにか悪かったかしら?」
「別にいいけどできれば早く言ってほしかった。」
「そうよ!どうせおんなじ家庭に入るんだったらわざわざ告白なんてしなかったのに!」
子供二人の文句の嵐に閉口する二人。そばには平和な顔をした祖母が立っていた。
「初恋はいいわね〜。」
(初恋じゃねえよ、母さん。俺は二回目だ。あれは忘れもしない小学6年生の秋・・・)
いつのまにか陸のときの家族の呼び方に変わっていたが、表面はいつも通りだった。
「先に部屋に入ってくる!」
一応断りを入れ、急ぎ足で廊下を駆け抜けると自分の部屋に飛び込んだ。
「あった!」
部屋の端に段ボールが積み上げられ、その一番上に見慣れたみかんの段ボールがあった。中をあさりキーボードとディスプレイを引き出し、手早く接続すると画面を起動した。見慣れたアニメのロック画面にパスワードを打ち込み、開くとフォルダを開いた。
「あ、助かった。まだあった。」
開くと画面をスクロールした。それは俺があんなダサい死に方をする前に溜めてあったエロ動画だった。俺は確認のためにそのフォルダを開け、中身を少しだけ流した。もちろん音なしで。